【未来361】【残酷描写あり/暴力描写あり/性描写あり/ホラー要素あり/BL要素あり/GL要素あり】

土門「どぉもー! お馴染み未来フューチャー361さんろくいちの土門と」

綾瀬「待て待て待て待て! なに普通にコント始めようとしてんねん」

土門「何や初っ端から。コント屋がコントして何があかんのや」

綾瀬「おかしいやろ! 見てみい上! タイトルもろバグっとるやないか!」

土門「何言うてんねん、何もバグってへんわ。【未来フューチャー361さんろくいち】は俺らのコンビ名で【残酷描写あり/暴力描写あり/性描写あり/ホラー要素あり/BL要素あり/GL要素あり】は今日のコントの題名やろ。何もおかしいことあらへんやん」

綾瀬「それがおかしい言うてんのや。何やそのレーティングのタグみたいな題名。ていうかレーティングのタグと思いっくそ被ってんねん。お客さん見たら板野さんが何かミスったんかと思うやろが」

土門「♪てけててっ!」

綾瀬「何やいきなり」

土門「チキチキ! 板野さんがどこまでなら怒らへんか検証レースっ!」

綾瀬「何やそれ!」

土門「さあ今回もやって参りました、チキチキ板野怒らせレースですが」

綾瀬「当たり前のように進行すな!」

土門「皆さんご存知の通り、匿名コンには多くの堅っ苦しいルールがあるわけですけども」

綾瀬「堅っ苦しいルール言うな」

土門「そのルールに抵触しそうで抵触せえへんギリギリのとこまで『攻めた』作品をぶち込んで、あのベニヤ野郎の度量を試してやろう言うのがこの板野怒らせレースや」

綾瀬「さっきからしれっと板野怒らせレースになっとるやないか。怒らせへんレースちゃうんかい」

土門「手始めにこのクソふざけたタイトルや」

綾瀬「やっぱり確信犯やないかい!」

土門「過去サイドの作品には【過去○○○ホニャララ】言うて番号が付くのを知った上で敢えての【未来361】や。お客さん見たら板野さんが何かミスったんやと思うやろ」

綾瀬「だから俺がさっきからそう言うとるやないか。あかんわこんなもん、怒られるわ」

土門「せやかて、ルールにはどこにも【】スミ付きカッコをタイトルに使つこうたらあかんなんて書いてへんで。残酷描写ありとか暴力描写ありとかタイトルに入れたらあかんとも書いてへん」

綾瀬「書いてのうても自粛すんのが常識とちゃうんかい」

土門「せやからギリギリを攻めるて言うとるやろ。板野さん毎回言うやんけ、『皆もっとはっちゃけてもええんやで』て。主催者の意を実践する参加者の鑑や」

綾瀬「せやけどこのタイトルは別の意味で問題があるやろ」

土門「何がや」

綾瀬「看板に偽りありやがな。残酷描写も暴力描写も性描写もホラー要素もBL要素もGL要素もあらへんやんけ」

土門「やかましいわ!」ボカッ!

綾瀬「痛っ! いきなり何すんねん!」

土門「暴力描写や」

綾瀬「回収が雑すぎや!」

土門「せや、俺こないだ中国に行ってん」

綾瀬「いきなり話変えんな。中国行ってどないしたんや」

土門「秘伝の料理が楽しめる言う裏レストランに連れてってもろてな。こう、真ん中に穴が開いた特別なテーブルがあんねん」

綾瀬「はあ。なんか凄い嫌な予感すんねんけど」

土門「生きたままの猿の頭がな、その穴からテーブルの上に出とってな」

綾瀬「やめやめやめやめ! それ表に出したらアカンやつや!」

土門「ほな、これで【残酷描写あり】や。ついでに【特殊食材描写あり】のタグも満たせるで」

綾瀬「匿名コン第2回に参加しとった人にしか分からんこと言うな」

土門「ちなみにその猿の頭を出しとった穴言うのが、今回の匿名コンの【穴】ちゅうわけや」

綾瀬「ちょっと上手いこと言おうとすな」

土門「そんで裏商店で土産にうて来たんがこの本や」

綾瀬「随分薄い本やな。って何やこれ、エロ同人やないけ」

土門「最近中国でもそういうの流行りやねん。日本のアニメの百合同人は特に人気や言うて」

綾瀬「おー、言われてみたら何やこのキャラ見覚えあるわ」

土門「セイラーアイドルの奈々ちゃんとイチゴちゃんやがな。奈々×イチは向こうでも一大ジャンルらしいで。見てみい、『あっ、なぁちゃんダメだよ、わたし達女同士……』」

綾瀬「気持ち悪い声で朗読すな!」

土門「これで紛れもなくGL要素あり、性描写ありや。ほんでな、綾瀬」パタンッ

綾瀬「何や、エロ本閉じてかしこまって」

土門「俺、実は前からずっとお前のことが……」

綾瀬「雑にBL要素入れてくんな! 真剣にBLを愛好しとる人に失礼やろが!」

土門「……」

綾瀬「……何や、急に黙って」

土門「……」スゥーッ……

綾瀬「……そっか。俺、何で忘れとったんやろ。土門の奴、一年前に死んどったんやないか……。……とはならへんからな!」

土門「何や、あとホラー要素があれば綺麗に片付くとこやったのに」

綾瀬「無理やり全要素回収しようとすな。あとな、お前、タグ全部回収してもやっぱこれルール違反やで」

土門「何がや」

綾瀬「匿名コンは『小説』のコンテストやろが。今までのやりとり見てみい。台詞の前に名前が書いてあって、台詞の後に半角で擬音まで入っとって、これやったら2chにちゃんのSSやないか。こんなもん小説やあらへん」

土門「ギリギリを攻めてるて何べん言わすねん。これはSSにパスティーシュした変則小説や。板野さんがこれダメや言うと思うか?」

綾瀬「それは言わへんやろけども。やってええことと悪いことがあるやろが」

土門「せやから、やってええことの範囲を広げてんねん。今この時をもって、これまでの匿名コンはの物になるちゅうわけや」

綾瀬「雑にお題回収すな」

土門「これで読者賞も全部かっさらいや」

綾瀬「このふざけたコントが読者賞の何に当てはまるっちゅうねん」

土門「お客さん皆びっくりしたやろ。ほんで、怒涛の勢いで全要素拾っていく展開が熱かったやろ」

綾瀬「物は言いよう言うか、ただの屁理屈やな」

土門「俺な、実は不治の病であと一週間の命やねん。最後にお前とこのコントをやりたかったんや」

綾瀬「無理やり切なくしようとすな!」

土門「そんで見てみい、客席に美少女とおばあちゃんとゾンビがおるやろ」

綾瀬「無理やりキュンとさせてほっこりさせて怖くさせようとすな! 俺らに取れんのはせいぜい笑った賞が関の山や」

土門「はて、ボク何か人様に笑われるようなことしましたやろか」

綾瀬「そこだけトボけんな! もうええわ」

「「どうもありがとうございましたー!!」」

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