アイドルマスターユミ 最終話 希望を胸に

【すべてを終わらせる時……!】

《アイドルマスターユミ 単行本1巻は発売未定です》


 熾烈を極める地区予選を勝ち抜き、遂に彼女は辿り着いた! アイドル全国大会のステージに! 重たいハンディキャップにも負けず、亡き親友の思いを背負って歌い続ける彼女が、遂に全国の舞台で真価を問われる時が来たのだ!


「頑張って、ユミちゃん」

「ハイ。皆のおかげでここまで辿り着けました。私、絶対負けません!」


 立ちはだかるは、アイドル四天王の一人、名古屋のダンスマスター・ライジングSARINA!


「絶対間に合わないと言われた新技が意外に早く覚えられたんです。サリナさん、覚悟!」

「さあ来なさいユミちゃん! 実は私は掲示板で叩かれただけで死ぬわよ!」

「灼熱歌唱! フレイミング・インフェルノ!」


 血の滲む特訓で身につけた、ユミの必殺歌唱が炸裂する!


「くっ……ダンスマスターと呼ばれたこの私が、耳の聴こえない子なんかにィィィ」


「サリナがやられたようね……」

「フフフ……所詮彼女は四天王の中でも最弱……」

「アマチュアごときにやられるなんてアイドルの面汚しだわ……」


「行きます! 鳳凰歌唱――フェニックス・ファイヤー・トルネード!」

「そんなァァァ! ここにきて翼があったなんてぇぇぇ」


 新境地を見出したユミの新必殺歌唱に、なすすべなく四天王達が膝をつく!


「やった……遂にアイドル四天王を倒したわ……これで『女王の娘』にリベンジが果たせる!」


 しかし、決勝戦で彼女を待っていたものは、「不戦勝」のプラカードを掲げた往年のアイドル女王……!


「よく来たわねユミちゃん。せっかく来てもらったのに悪いけど、娘はアイドルをやめて自分探しがしたいって言って外国に行っちゃったわ……」

「そんな!?」

「最後に言っておくことがあるわ。あなたの耳を治せるお医者さんを手配して、プロデューサーにもあなたを新センターとして迎え入れるように話を通しておいたから。これで春からあなたも私の後輩ね」

「あ、ありがとうございます……。私も言いたいことがあったんでした。死んだ友達から何か託されたような気がしてましたけど、多分気のせいだったみたいです」

「そう。じゃあ、これから頑張りなさい」

「はい!」


 観客達の拍手喝采に包まれて、ユミの新たな物語がここから始まる!


【彼女の歌声が世界を救うと信じて……!】


《ご愛読ありがとうございました! 鴨野先生の新作『あいどる二等兵』にご期待ください!》

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