第2話
よく晴れた休日の午後。
今日も私は、緑に囲まれた田舎道で、ドライブを楽しんでいた。
街と街とを繋ぐ主要道路だが、この辺りまで来れば、ほとんど民家も見えない。道路の両側には一面の牧草地が広がっており、その奥に見えるのは、こんもりとした森林地帯だった。
信号も少なく、快適に運転できる区間だ。時々すれ違う車も皆、気持ちよさそうに走っている。
「あっ、大きなオートバイ!」
「ねえ、パパ。あれは何?」
後ろの席から、子供たちが声をかけてきた。
ちょうど反対車線を走っているバイクが、子供の目には新鮮に映ったらしい。
色は違うけれど、形の上では、洋画に出てくる白バイを彷彿とさせる。私もオートバイには詳しくないが、見た途端『ハーレー』という言葉が頭に浮かんできた。
しかし、それを口にするより早く、
「ダメでしょう? パパは運転中なのよ。ゆうくんも、みっちゃんも、あんまり話しかけないでね。事故を起こしちゃうから」
助手席から、涼しげな女性の声。
二人の子供を軽く叱る、母親の姿だった。
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