初めましてにかえて

@turugiayako

第1話

 初めまして。剣綾子と申します。

 先日、この「カクヨム」において、初めて小説を投稿させていただいたものです。

 これから、カクヨムに小説や、小説以外の文章作品を投稿していきたいと考えています。

 今回は、このカクヨムデビューのご挨拶といたしまして、エッセイを投稿させていただきたいと考えています。

 読んで楽しい文章になれば、良いのですが。

 エッセイのテーマは、ずばり「小説の存在意義」あるいは「フィクションの存在意義」

 なんだか漠然としていますね。

 最初に断っておくと、私は学者ではありません。大学の文学部で文学やら小説やらを専門的に学んだこともありません。

 アニメや漫画、ゲームに映画と言ったジャンルについて専門学校で学んだ経験もありません。

 この社会にあふれるあらゆる種類のコンテンツ、フィクションについて、私はまるっきりただの消費者であり、素人に過ぎません。

 なのでこれから私が書くことはあくまでも「素人の戯言」に過ぎない、ということです。

 なぜ素人である私が、「小説の存在意義」というものを語るかといえば。

 私がこれから「小説を書き続けてゆこう」と決意している、からです。それ以上の動機はないです。

 存在意義を、たとえそれがどんなに未熟な形であれ自分の言葉で語れなければ、私は小説を書いてゆくことなどできない。

 そう、私は考えるからです。

 まあ、なんでもいいから文章書き続けていかなきゃみんなから忘れ去られる、エッセイも書いていこう、ってのも本音じゃありますけどね。

 で、小説の存在意義。

 漫画やら映画やらまでもひっくるめた、「フィクションの存在意義」ってなんでしょうね。

 今の社会は、色んなフィクションであふれています。

 溢れすぎていて、「なんのためにこれはあるの?」って疑問は、しばしば考えることが放棄されてはいないでしょうか。

 いや、放棄しているのは、もしかしたら愚かな私だけなのかもしれません。

 とりあえず愚かな私は、愚かなりに考えたことを、書いてみます。

 考える材料となるのは、私は幼稚園児の頃から触れてきた漫画や、成長するにつれて触れてきた色んな映画や、小説。

 それらが存在することが、私にとってどんな意義を持っていたのか。

 私は心理学者じゃないから、推測でしか語れません。

 結局それは、「今、ここにある現実」を相対化する役割を果たしてきたのではないかと。

 相対化。

 私が今立っているこの現実は、この現実の形以外にもあり得た、という可能性。

 なんだか抽象的過ぎて、分かりにくいと私でも思います。

 唐突ですが、皆さんは怪獣図鑑という種類の本をご存知ですか?

 テレビ番組や映画に出てくる色んなかいじゅうたちの写真を解説付きで収録した本です。

 まず、怪獣という存在が何なのかわからない、ですって……?

 ウルトラマンに出てくるような、ビルより大きくてビルを壊してしまう素敵な巨大生物のことを怪獣って呼ぶのですよ。

 昔、私が育った家には「ウルトラ怪獣図鑑」という本がありました。ウルトラマンシリーズに登場するかいじゅうたちについて、そのキャラクター設定を写真付きで解説していた本です。

 もうずっと昔にどこかにいってしまった本ですけど、幼稚園児の頃の私は、この本を読むのが大好きでした。

 暇さえあればページをめくり、ぼろぼろになるまで読みこんだのを覚えています。おかげでバルタン星人やベムラーや、レッドキングやごもらやうー、ジャミラやペスターやゼットンやエレキング、メトロン星人やベムスターやタイラントのことを、私は小さなころに暗記してしまいました。

 図鑑の中で出会った、輝かしき怪獣、宇宙人たち。

 もちろん、彼らは現実には存在しないキャラクターたちです。

 今思えば、あの図鑑も、一種の物語でした。

 だってそこには、架空の怪獣たちの、彼ら固有の物語が10も100も描かれていたのですから。

 怪獣図鑑という名の物語が、私にくれたもの。

 それはすなわち、この「今、ここにある現実」の相対化だったのではないでしょうか。

 ビルより大きな生物なんて現実にはいません。

 しかし、「ビルより大きな生物」という架空の存在を想定するとき、私の目には、ビルという人間の営為の産物、「今、ここにある現実」そのものが、「小さく」なっていたような気がしたのです。我々の目には圧倒的に映る「巨大なビルという現実」が小さく見える瞬間を、怪獣たちは見せてくれた。

 現実には、ビルは巨大です。

 だけど、空想上の怪獣に比較すれば、その「巨大さ」は相対化、されます。

 だからなんだ、と言われるかもしれません。

 ええ、それには、反論できないです。

 現実を相対化したからって何なんだ、てのは、私が未だに答えられない問いなのです。

 ただ一つ言えるのは、怪獣図鑑も、大人が読むような小説も、つまるところは現実を相対化するという役割を果たしているのではないか、ということです。

 ですから、私が書く小説も、その役割を果たしていきたい、と、そういう決意表明を、述べさせていただきます。

 

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