第440話 【新体制での迷宮探索・1】


 王都に戻って来たから数日間、ゆっくりと休んだ俺達はリカルドに数日、迷宮に潜ってくると言って迷宮へとやって来た。

 特別枠としてイリスは、俺達の探索階層に行けるのだがその前に軽くレベル上げと連携の見合わせをする為、90層から狩りをする事にした。


「イリス。最初から、二刀流スタイルで行くのか?」


「はい。休みの間もしっかりと体を動かして、大分慣れて来たので実戦で試そうと思います」


「そうか、分かった。取り合えず、援護はするからイリスの好きなような戦って見ろ。レイも最初は、イリスに合わせてくれるか?」


「うん! 任せて~」


 そうして前衛だけの軽い作戦会議を終えた俺達は、そのまま迷宮を進むと魔物と遭遇した。

 遭遇した魔物は、以前までなら探し回っていた玉持ちの居る魔物達だった。


「イリス。あの玉を持ってる奴は危険な奴だから、そいつの対処は俺がする。他の魔物はイリスとレイがやっていいぞ」


「はい!」


「了解!」


 イリスとレイは元気よく返事をすると、武器を持ち魔物達に向かって走り出した。

 レンはそんな二人に後方から【付与】を掛けて、二人の動きを強化した。

 そして俺とクロエは、魔物側に居る魔法使いの奴等に向けて同時に魔法を放ち、魔物側の連携を乱す事に成功した。


「イリスちゃん、行くよ!」


「はい! レイお姉さま!」


 前衛の方では、かなり連携力が上がったイリス達が魔物達を倒しまくっていた。

 俺とレイ、クロエとレイの組み合わせの時よりも、爽快感のある戦い方をしていて本当に二人の相性はいいなと見ていてそう感じた。

 それから俺は二人の戦いに見入る前に、玉持ちの魔物を倒し、少しして二人は魔物達を倒し終わった。


「中々、良い動きだったな」


「えへへ~、休みの間に少し練習してたんだよね~。イリスちゃん、凄く良かったよ」


「いえ! レイお姉さまが合わせてくれるおかげです。もっと強くなって、本気のレイお姉さまに合わせられるように頑張りますね!」


 二人は練習していた事が上手く出来たおかげか、嬉しそうに互いに褒め合った。


「なんだかちょっと悔しいな~、私でもあそこまで上手くかみ合うまでかなり時間かかったのにな」


「クロエお姉さまのアドバイスのおかげでもありますよ! 私が失敗した時に、レイお姉さまの考えを教えてくれたおかげでこうしてうまく連携が出来る様になりましたから」


 落ち込むクロエに対してイリスは、近くに寄ってそう言った。

 そんなイリスにクロエは「ありがとう」とお礼を言い、俺達は探索を再開した。

 その後、順調に探索が進んだ俺達は95層に降りてから一旦、休憩の為に迷宮の家に戻って来た。


「イリス。休憩序に、ステータスを見ても良いか?」


「はい。分かりました」


 イリスは俺の言葉に対して、そう返事をすると自分のステータスを俺達に見せてくれた。


名 前:イリス

年 齢:13

種 族:ヒューマン

身 分:平民

性 別:女

属 性:火・水・土 


レベル:54

筋 力:2748

魔 力:2475

 運 :96


スキル:【剣術:2】   【身体強化:3】 【火属性魔法:3】

    【水属性魔法:2】【土属性魔法:2】【信仰心:3】

    【魔力探知:3】 【体術:2】   【瞑想:2】

    【集中:3】   【刀術:3】   【直感:2】

    【警戒心:2】  【魔力強化:2】

固 有:【運命のサイコロ】

能 力

称 号:加護持ち 豪運の持ち主 鉄級冒険者

    英雄の弟子 稀代の錬金術師の助手

加 護:運命神の加護 武神の加護 


「確か〝冒険者ダンジョン〟を出る時に最後見た時は、50レベルだったから、ここにきて既に4レベルも上がったのか……」


「イリスちゃんだからこそ、こんなに早くレベルが上がってるんだろうね。90層に行けるとは言え、戦える能力を低いレベルの内から持ってるんだから」


「確かにね。本当に【運命のサイコロ】の能力は強いよね……」


「このスキルの凄い所は、他の強化系と一緒に使えるのが凄い所だよな、持続時間も長い上にイリス本人の運が高いおかげで高確率で長時間使えるスキルだからな」


 俺達はイリスのステータスを見て、俺達がそう感想を言うと、言われた本人は嬉しそうな顔をしていた。

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