第四章
第181話 【三カ月・1】
師匠、ヘレナーザ、ナシャリーの三人の修行を受け始め三カ月が経過した。
始めの頃、ナシャリー相手に手も足も出なかったが徐々に強者との戦いに慣れていき、課題をクリアしていった。
正直、魔女の三人に勝つ事なんて不可能だが、抵抗できるレベルまでは出来るようになった。
魔女である師匠達に抵抗できる=悪魔程度なら、十分戦える力が備わったという事になる。
「ふふっ、弟子ちゃんってやっぱりすごいわね。何年も掛ると思ってたのに、たったの数ヵ月でここまで成長するなんて」
「本当にズルいわ、これだけ才能があって性格も多少難がある程度なの、本当にいい子を弟子にしたのね」
「ジン、凄い子」
師匠達からそう褒められている俺は、最後の課題と言われて魔女である三人の攻撃を一時間耐えるという課題が終わった直後。
流石に魔力も全て無くなり、地面に横になっていた。
「あ、ありがとうございます……その、見てるだけじゃなくて出来れば回復薬欲しいんですけど……」
ニコニコと笑顔を浮かべて俺を見て来る三人に対し、俺は最後の力を振り絞ってそう言ったが修行を受ける間は薬は禁止な為、そのまま俺は気を失った。
次に目が覚めると、俺は師匠の家のベッドに横になっていた。
「……正直、この三カ月マジで死ぬかと思ったな」
修行の初めの頃は、まだ良かった。
相手は一人だし、手加減が得意なナシャリーが修行相手だったから多少辛かったけどいい修行だと感じていた。
だが、次のヘレナーザの修行からは地獄となった。
狭間の世界に居るヘレナーザは師匠とはまた違った使い方の【空間魔法】を使い、魔力を感じない所からいきなり攻撃を仕掛けて来る等、本当にヤバかった。
「よく俺は生きてるなと自分を褒めたくなるよ……」
「きゅ? きゅ~」
「……リウスも強くなったな」
俺の事を心配してたのかベッド脇に居たリウスを見て、俺はそう言いながらリウスの頭を撫でた。
リウスもまた俺と同じく、三人の魔女相手に修行をして、更にそこにヴェルド様との修行も受けていた。
生まれて間もないのに世界の最強者達と、連日戦い続けたリウスは俺以上に強くなっていた。
修行を受けてる間は、数字に目がいかないようにってステータスを見るのを止められていたけど、さっきので終わったし確認して見よう。
✤
名 前:ジン
年 齢:15
種 族:ヒューマン
身 分:平民
性 別:男
属 性:火・水・風・土・光
レベル:76
筋 力:6457
魔 力:13247
運 :76
スキル:【鑑定:5】 【状態異常耐性:5】【剣術:5】
【魔力強化:5】 【火属性魔法:5】 【水属性魔法:5】
【風属性魔法:5】【土属性魔法:5】 【光属性魔法:5】
【魔力探知:5】 【身体強化:5】 【瞑想:5】
【体術:5】 【気配察知:5】 【刀術:5】
【魔力視:5】 【剣気:5】 【空間魔法:5】
【空間把握:5】 【魔力強化:5】 【使役:5】
【調理:1】 【挫けぬ心:5】
固 有:【成長促進】【異空間ボックス】
能 力
称 号:神童 加護持ち 銀級冒険者
魔女マリアンナの弟子 リウスの主
加 護:魔法神の加護 武神の加護 剣神の加護
✤
うん、滅茶苦茶成長したな……正直、普通に修行を受けてたらここまで成長しなかったけど【成長促進】のおかげでかなり成長出来ている。
本当にこのスキルはずっと俺の事を助けてくれているな、これのおかげで心が折れる事無く修行を続けることが出来た。
数値なんてほぼ倍だからな、クロエ達でさえここまでの成長は出来ていないと思う。
「それと何気、一番最近獲得したスキルが修行では役だったな……」
【挫けぬ心】というスキルは自身が負ける可能性のある相手に対して、絶対に諦めない闘争心を湧き出させてくれるスキル。
持っているだけで精神系のスキルの耐性を得れたり、我慢強さを手に入れる事が出来るという有能なスキル。
ゲームでは耐性スキルの一つだったが、こんな使えるスキルだとは思ってなかった。
ちなみに【調理】は前々から獲得しようと頑張っていたおかげで、ようやくスキルを獲得する事が出来た。
「きゅ、きゅ~!」
「んっ? 何だ。リウスも自分のステータスを見て欲しいのか?」
「きゅ!」
俺が自分のステータスを見ていると、リウスも自分のステータスを見て欲しいと訴えて来たので俺は自分のステータスを閉じ、リウスのステータスを見る事にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます