お題:かぼちゃ ― カボチャの行く末
11/3 お題:かぼちゃ
小さいカボチャを貰った。丸ごと器にしてグラタンにできるようなタイプの。
疲れて料理する気なんかなくて、靴の空き箱やら新聞とチラシやらが積み重なっている横へビニール袋に入れたまま転がした。
買ってきたお惣菜をつまみながらお酒を飲み、ダラダラとスマホを見て眠った。
翌日も料理はせず、お弁当を食べた。その次の日は冷蔵庫の中にあるものを片付けた。芽が出始めた玉ねぎ、萎びてきた大根、ところどころ溶けてるニラなんかを入れた大量の豚汁ができる。
カボチャはまた今度。
3日ほどかけて豚汁を消費し終わり、麻婆豆腐が食べたくなったので材料を買って帰った。玄関の戸を開けるたび、カボチャの入った白いビニール袋が目に入る。でも、カボチャの気分じゃないから。
麻婆豆腐、お惣菜、外食、カレー、カレー、カレー、お惣菜、サンドイッチ、お弁当、残り物チャーハン、お弁当――――
久しぶりに部屋の外まで掃除機をかけたら、ビニール袋を吸い込んでしまった。スイッチを切ってビニール袋を外し、中を確認する。
カボチャにはフワフワの白いカビが生えていた。
もっと日持ちすると思ってたんだけどと、自分に言い訳をして袋の口をしばってからゴミ箱に捨てた。
ごめん、でもカボチャの気分じゃなかったの。
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