第8話 ママ友の話

 妻がママ友から聞いた話。

 いわゆる、女性同士でしか話さない女子トークというやつだ。


 そのママ友・A子さんは小学生の息子をサッカー教室に通わせている。

 通っているうちに、そこでA子さんは人付き合いが苦手ながらも、他のお母さんたちとグループを作ったそうな。

 

 うちの妻もA子さんもママ友というのが、苦手らしい。

 女子特有のめんどくさい繋がりが嫌いなのだとか。

 

 サッカー教室の先生は若い男性。

 イケメンで筋肉ムキッムキな好青年。

 笑顔が似合うナイスガイ。

 子供たちからも慕われ、大人気だ。


 その人気はママさんたちも同様。

 自分の子供そっちのけで、コーチに声援をおくっていたとか……。



 ある日、A子さんがいつものように、サッカー教室のお母さんたちとバスの送迎を待っているときだった。

 一人のママ友、ビチ子さんが嬉しそうにこう語りだした。


「ねぇ聞いてよぉ~ この前、コーチ食べちゃったわぁ♪」

 それを聞いたA子さんはドン引きして、固まってしまったそうだ。

 周囲のママ友は「ウッソォ~?」と話にくいつく。


「この前、泊りがけで不倫してきたけどさ~ 若くてスタミナありすぎて疲れちゃったわぁ~ 二回も迫られちゃってさぁ」

「「「キャーッ!!!」」」


 湧き上がる歓声。それに反して引きつった笑顔で黙り込むA子さん。


 ビチ子さんの話では、サッカー教室に通わせている息子を旦那に預けて、「友達と旅行してくる」とウソをつき、一泊したのだとか。

 つまり不倫するために、旦那さんは子守りをしていたことになる。


 A子さんは、そんな不倫話を自慢しているビチ子さんに違和感を感じたそうだ。


「食ってやったわっ! あの若いコーチ!」

「「「すごいっ!!!」」」


 A子さんはその後、グループから距離を置いたそうだ……。


 僕はこの話を聞いておもったのは、その場に男がいてもビチ子さんは自慢してくれたのだろうか? と思いました。

 

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