尻ガール

三毛狐

第1話

 少女はいつも自分の居場所を探していた。

 求めて貰えるなら、そこを居場所だと感じられた。

 だから、彼女は。


 今日もお尻をプクーッと膨らませ空をいく。

 手紙をひとからひとへ、彼女の居場所は世界中のどこにでもあった。

 「ありがとう!」「いつもたすかるわ!」


 彼女は今日も、世界中のあちこちで呼ばれ、自分の居場所はどこか地図とにらめっこする。

 尻ガールと呼ばれ、彼女は今日も人々を笑顔にした。


 居場所が沢山ありすぎて、目移りする日々。

 今日の目標を選ぶのが、彼女の楽しみだった。


 昨日よりも居場所がまた増えたことを、実感しては気分はふわふわ。


 彼女はぷかぷか、空をいく。

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尻ガール 三毛狐 @mikefox

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