指×康トップ会談 3

「あと7人か」

「あとは順当に『IDOLIZEアイドライズ』の主要キャラですね。火群ほむら結依ゆいちゃんを筆頭に、味方チームの5人。千葉ちば華子はなこちゃん、みなとマリナちゃん、逆瀬川さかせがわ怜音レオンちゃん、網野あみのあいりちゃん。そしてライバルの春日かすが瑠璃るりちゃんと、ウチのひとみで、ハイ、16人」

「最後は無難にまとめてきたな」

「と思うでしょ? そう思いますよね? ふふふ……」

「お前、20代のつもりで含み笑いしてるのか知らないけど、今年で48歳フォーティーエイトなんだろ?」

「そういう康元さんは何歳の設定でここに来てるんですか。2018年に還暦だったんだから、わたしの時間軸では80越えてるでしょ」

「そこはさぁ、アレだよ。突っ込んじゃいけないところだよ。……で、何なんだ、最後の企みは」

「超時空アイドル公演ならではのサプライズ。雪平ゆきひら美鈴みれいちゃんをアンコールで特別出演させます」

「……生きていた頃の、か」

「せっかく時を超えられるんだから、そのくらいやらなきゃダメでしょう」

「いいな。80点だな」

「わたし、素直だから、褒められてると受け取りますよ? ……康元さん、何飲まれますか」

「同じでいいよ。お前は」

「じゃ、わたしもさっきと同じで」

「一国の大臣が大関のオレンジジュース割りを二杯目。明日のネットニュースのトップだな」


「じゃあ、メンバーは決まったんで、次はセットリストですねー」

「得意だろ?」

「得意ですよ。まず一曲目は『星間せいかんグラビティ』、これは外せないでしょう」

「ああ、重力シン……」

「星間グラビティ! で、それに続いて、せっかく各支店のメンバーをモチーフにしたキャラが揃ってるんで、支店曲オンパレードで。難波の『マンマミーア!』、名古屋の『サファイア両想い』、新潟の『特急しらゆき』」

「飛ばすなあ、飛ばす飛ばす」

「ちゃんとストーリーになってるんですよ。重力に惹かれる如く恋に落ちて、憧れの彼にダサイ姿を見られてショックだったりして、そんなこんなで遂に告白に至って、最後は彼を故郷に連れて帰るんです」

「そういうの好きだな、お前」

「好きですよ。王道は王道だから王道なんです。……で、MC挟んで、ユニットなんですけど――」

「けど?」

「尺の都合で今夜はここまでなんですよね」

「ああ、そうなの」

「というわけで、セットリストは後ほど改めてアップしておきますので! 瞳のPRページに!」

「抜け目ないなあ、本当」

「そういうの教えてくれたのは康元さんですよ。ではでは、読者ファンの皆さん、またお会いしましょう!」

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