本編(一部)

intro Constellation


 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★



 夜空を見上げ、僕達は思う。

 銀河に綺羅きらめく星のそれぞれに、輝かしき生命いのちがあり、物語があることを。


 そして――

 隣り合っているように見える星と星も、本当は互いに遥か遠くにあって。

 宇宙に散らばる星々は、本当は誰もが「ひとりぼっち」なのかもしれないと。


 だけど。

 いや、だからこそ。

 人類ぼくたちは、夜空の孤児みなしご達を、星座という名の絆で結ぶことを覚えた。


 大きさも、地球ここからの距離も、何もかもが違う星達が――

 僕達がここから見上げるときだけ、確かに隣同士になる。


 星々ステラを一つに繋ぐ――星座コンステレーション

 遠く離れた星と星は、 僕達の瞳の中で、願いを乗せて一つになるんだ。



 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★



 果てしなく広がる宇宙そらに、いくつもの星がまたたいた。


 いつか見た未来に近付くため、たみの幸せを切り開く美しき星があった。

 変わりゆく時代の狭間はざまで、まことこころざしに散っていった星々があった。

 戦乱の足音が迫る時代で、束の間の安寧あんねいを守って疾走はしる星があった。

 その手に託された命のため、永遠の宿業しゅくごうに抗おうとする星があった。

 いつ終わるとも知れぬ戦いの中、愛と救いを信じて空をける星々があった。

 希望と絶望を幾度いくたびも繰り返し、未来に手を伸ばす多くの星々があった。

 時を超えた輝きを一手に受け継ぎ、希望を歌い続ける星があった。


 すれ違うことのなかった星々の物語が、いま、この夜空で一つになる。


 過去を、現在を、未来を駆け抜けて――

 光を繋ぐ、星々の物語。

 僕達が夢見た、最初で最後の奇跡の物語。


 CHRONICLEクロニクル STARSスターズ――。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る