第221話 ダンジョンドロップの秘密
11月22日にギルドの求人ボードに事務員募集を張った翌日。
朝クランの教室で教えていると、リナスが事務員の応募があったと言って来た。ギルド嬢1名が昨日の夕方に話を聞きに来たらしい。4人になり次第求人票を切ってクランに迎えると言っておいた。
クランハウスに使ってる元商店が3Fなので2F以上の個室に現在マイア(18)とエレクトラ(18)が住んでいる。住み込みならそのまま3~4人一緒に入れる。男のギルド員なら寮の2人部屋に1名で入れると伝える。
何て言ってたら23日の夕方に事務員4名の枠は埋まった(笑)
俺はとりあえず教官が6人欲しかった、11月22日と23日で4人見つけて、あと2名見つけたら目標の6人となる。後の2人は次の月にしようと思っていた。
そんなこんなで雷鳴商店だの雷鳴食堂だのポヨーン村に呼び出し受けて、タナウスの首都を整備してたらもう11月28日だよ(笑)
教官がもっと欲しいんだよ。
教官が足らないと強迫観念で一日中考える様になった。
研修所教官の候補者リストでも病気や負傷では無く、他の仕事に付いて断られた注釈が多くなっている。商人の子飼いで夫婦で護衛やってるからメルデスにいない、どうしようもない。家業を継いだとか五体満足で教官を断ってる人を無理に冒険者には戻せない。
リストに頼れないので教室の書き取り中も色々と教官捜索の作戦を考えた。考えさえしたら名案も浮かぶ物で、リストから一度離れ、冒険者上がり、武官、オード、戦争負傷者で検索し、該当者を視たら教官適性など一発で分かる事に行きついた。
冒険者とか言わずに、武官でさえあればいい。夕方の武術鍛錬待ちのひよっ子を
検索したら凄い元冒険者がいた。
名前を見つけ、追視で追ったら大当たり!
孤児院を出て
大喜びで会いに行った。
左腕が無い。
北東のシマを仕切るヤクザの世話になっている。
「サラウッド先生ー!」
「サラウッド先生ー!」外から呼ぶ。
「先生、またガキが来てますぜ」
「は?この時間にか」
窓から
「坊っちゃーん、何の御用です?私がサラウッドです」
「お話があって訪ねて来ました」
「私にです?」
「そうです、降りて来てもらえます?」
サラウッドが降りて来るまでに視終わった。
「お茶でも行きましょう」
「はい、坊ちゃんはお貴族で?」
「アルベルトと言います。伯爵家の三男です」指輪を見せる。
二人分の紅茶セットを頼む。
「単刀直入に言います、うちで先生をして下さい」
「先生ですか?」
「スラムの子に武術を教えているのは知っています」
「あれは趣味みたいなもので・・・」
「分かります。あなたは信じた道で人を育てようとしてる、そんな人がうちのクラン雷鳴の教官に欲しいのです」
「え?クラン?」
「そう、雷鳴と言います」
「教官とは?」
「冒険者として食って行けるまで導く教官です」
「教えるのはうちのクランの冒険者のひよっこ達です、あなたの持っている知識と武術で強くして貰えませんか?」
「私は片腕ですよ?(笑)」
「片腕は関係無いとあなた自身思ってますよね?」
「・・・」
「今あなたの所に来ているスラムの十二歳以上のならず者予備軍を冒険者にするなら一緒にうちのクランに連れて来ていいです。連れて来なくてもいいですが、どうせそのうちに地廻りと一緒に
「・・・」
「生きるのに強くなるのは当然です、若いから悪さするのも良いでしょう、しかし悪さの
「サラウッド教官。うちの俸給で暮らして下さい」
ヤクザに恩を感じてるのは知っている。
「俺は・・・「今からボスに会いに行きますね」」
「!」
「今から挨拶に行かせてもらいます」
「坊ちゃん!それは危ない、止めてくれ」
「先生が守ってくれるんでしょ?(笑)」
店を出てボスの居る所に一直線に歩く。
(シェルお願いね)
(はいです)
(シャドは手を出してダメ)
(はい)
リード師匠の無刀の格闘術を見て欲しかった。
サラウッドは孤児院を出てステータスボードも無く、当然恩寵とは無縁の7位、6位、5位時代を過ごした。自身の肉体と冒険者技術を見て盗むだけで3位に昇って来た男。生きる力と雑草の根性。魔鉄5位の上まで歯を食いしばって登り、初めて宣誓の儀をやった男。
この世の何も持たない者の生き方を体現する男。
ボスの事務所に押しかけた。
事務所の入口にたむろするチンピラにボスのソルマンを出せと子供が高圧的に出る。
チンピラが喜んで子供を囲う。
「なんだなんだ?この小僧は(笑)」
サラウッドが、あちゃー!と貴族の子供の世間知らずをお手上げと思う。ハラハラしながら次の言葉を待った。
その直後サラウッドは目を疑った。
手を出そうとした3人のゴロツキがその辺に飛んでった。アルベルトは無手で3人を手玉に取った。
「邪魔するぞー!」
高圧的な大声で事務所に入っていく。
入口から堂々と事務所に入って
貴族の子供は
近寄った瞬間に
1Fが静かになると、多重視点で事務所の内部を確認しながら階段を上がる。2Fの踊り場で扉の向こうに抜身の剣を持って待ち構える野郎共ごと身体強化の蹴りでドアをドパーンと蹴破ると、開き終わったドアの
ギャー!やっちまった!
ヤクザもドアに構えた剣で大人の身長目線で待ち構えていた、ドアが開いた瞬時のアルを確認する目線が降りる前に弾丸になったアルが一人を蹴り飛ばす。一人を吹っ飛ばすと残りの2人が目で追う前に殴られて終わる。
入り口の後ろで成り行きを見守っていたお兄さん達も驚いてアルに向かって駆け寄ると一緒に吹っ飛ばされて行く。
「お前ら邪魔だー!」初めて怒鳴った。
構えた剣が開いたドアに近すぎて、当たった剣が跳ね返って刺さった人に慌てて駆け寄る。ヒールしながらお腹から剣を抜く。床が血の海だった。良かった!助かった!大丈夫だった!殺すとこだった。
向こうに人がいる時は、もう二度とドアを蹴りません。アルは珍しく神に誓った。
(ぷっ!)
シェルが笑いやがった。
血溜まりに倒れる同僚に気が付かなかった連中は、お腹から剣が抜かれて助けられる仲間を
3Fのドアの前に剣を持ったヤクザが7名も待ち構えていた。もう俺は学習した。人が居る時ドアは危ないから蹴っちゃダメ!そのままサラウッドの前から子供が消えた。消えた瞬間ドアの向こうで凄まじい音が響き渡る。中からドアが開いた。
「行くぞ!」
3Fのフロアは転がってる者しか居なかった。
3Fのボスの部屋はドアの前に居なかったから蹴り破る。殴り込みはそういうもんだからだ。あれ?いつ殴り込みになった。ボス出せと言ったらちんぴらが手を出そうとしてきて、・・・あ!視ちゃったからだ。
護衛が襲って来るが、身体強化持ってる分オマケしてカウンター付けて部屋の隅までぶっ飛ばしておく。護衛の癖におっせえんだよ!毎日(原始人に)ぶっ飛ばされてる俺より
「ソルマンてのはお前か?」
「お前は誰だ!」
「伯爵家が来てやったぞ」
「え!」普段聞かない単語で戸惑う。
「貧民に無体な事してるよな?」
「?」急な話で頭が回らない。
「貧民に子供売らせてるよな?」
子供を奴隷商に売る親は当たり前にいる、普通だ。3歳から5歳で銀貨8枚(5~8万円)6歳から10歳で大銀貨1~3枚(10~30万円)それほど食えない者は貧しい。子供は売られた先で食えるのだ。それが過酷であろうともこの世では必要悪だ。
うちの事務員補助の魔女宅(カレン)もそうだった。あっちの地球でも普通に売られてる国が有るな。というか今はSNSで売ってるらしいな。まぁ異世界の俺はこっちの話が先だ。
「え?」
「え?じゃねぇだろうがよ!(笑)」ぶっ飛ばす。
「昨日5歳から8歳の4人売ったよな?」
転がってるのを
「あ、あれは、仲介料を・・・」
「分かってるよ!黙ってろ!」
「売らねぇ親を追いこんでるのはお前だろ?」
「・・・」
「借金が
「・・・」
「楽になれると子供売らせて代金棒引きじゃねぇか」
「・・・」
「都合が悪くなると黙りやがって、伯爵家が知らねぇと思ってるのか?
笑いながらボコボコにする。蹴って部屋の隅に飛ばしていく。
「金庫ここだな?」中から金を
「???」何故金庫が開いたか不思議そう。
ざらざらと金貨をぶちまける。
「伯爵家が来ちまった迷惑料を貰おうか?」
全部取られると思ってる(笑)
「お前1年間売るなよ」
「は?」
「子供売るなって言ってんだよ!」蹴り飛ばす。
「1年これで食えない家族に食わしてやれ。分かったな?」
襟首掴んで持ち上げて睨み倒す。返事が無いので床に散らばった金貨に顔を押し付ける。
「あまりにも人を
「返事は!」高速の往復ビンタで頬がブルブルする。
「・・・はい」
目に力が無くなっちゃった。視たら脳が揺れてノックダウン状態だった。
「あ、用はそれじゃないわ!」口に出ちゃった(笑)
たまたま視えたから、いつもみたいに〆ちゃった。
「その前に(リナスの)小言を言わせてくれ」
「お前のシマな、メルデスの第二演習場から北東門入ってるな?あそこなぁ、うちの敷地なんだよ。うちの兵隊相手に露店で稼ぐのは結構だ。うちの奴らも小腹が空けば店に
しかしな、最近道がゴミで汚れて苦情が来るんだわ、お貴族の俺の所にな。お前のシマで金取るなら綺麗にしてくれ、それと露店出すのもいいが場所を汚くしやがったらまた来るぞ、いいか?街を汚すなよ?」
「聞いてんのか?」
「は、はい!」
「まぁ、(リナスの)小言はこれぐらいにしてやる」
「本題に入ろうか」前置きが長過ぎる。
「ここにいるサラウッドは俺が
「・・・はい」
「返事が小せぇ!どうなんだ?」蹴りを一発。
「どうぞ、貰って下さい」
「おぉ!いい返事だな、どうだ?お前達がスラムの奴らにやってる事を教えてやったぞ? 上の席に座るとあんまり教えて
子供が笑って僕怖い?と威圧を込めて目を合わせに来る。
ガクガク頷く。
「お前たちのやってる事は正解だ!強い者がのさばるんだよ。お貴族様より弱い奴は縮こまって生きなきゃなぁ?腐った平民が身分不相応な事すんなよ? またお貴族様が来ちまうぞ。オードの戦争も出ずに守られやがって、お前らは外敵と戦わず街の貧民イジメて戦ってるつもりか? 情けねぇ奴らだ(笑)」
「何、目を逸らしてんだ、オードに行かずに物資を転がしてたのバレねぇようにか? 裏の金を別荘に隠してる事か? 隠してるつもりだったか? こりゃ傑作だ! 腐った平民は笑わせてくれるなぁ。 心配すんな!そんなネズミのフン盗らねぇよ(笑)」
みるみる真っ青になっていく。
「この
麻痺して目だけで怒る護衛。
麻痺してると痛くないから解除して〆る。
「お前も反抗的な目をするだけ世を知らねぇな、ユージィよ。折角だから普段見られねぇお貴族様が直々に教えてやるよ」
ボスの前で護衛をグウの音も出ないボロ雑巾になるまでクソミソにしばく。こいつが今日一番の被害者だ(笑)
「これだけやれば分かったかなぁ?分らねぇとこっちのニノも〆なきゃなぁ」
麻痺してるのを一発蹴っておく。
「分かったか?」子供が振り返ってボスに言う。
「分かりました!」聞き分けが良いボスだった。
「分かったならいい」ヒールを掛けてやると驚いている(笑)
「部下も治してやるから、部屋片付けておけよ」
「はい」護衛も2人ヒールしてクリーンを3人に掛けてやる。
「
「はい」
「行くぞ!サラウッド」
「はい」
3F~2F~1F~事務所前路上~
「ボスと話は付いたからな」
子供が頭をポンポンする。ゴロツキ共にヒール掛けながらクリーンして麻痺を解く。
事務所を出てサラウッドが間借りしていたシマの建物まで歩く。荷物を取りに部屋に入った瞬間、サラウッドに昏睡を掛けた。ベッドに寝かせて左腕を再生する。起こす前にベッドに飛び散る大量の血にクリーンを掛けた。
・・・・
「ソルマンさん、あの子供貴族は?」
高位の幹部が集まって幹部会みたいになっている。
「伯爵家だ・・・」
「え?」
「伯爵家がわざわざ来たんだよ、お前らもやられたな? 俺は調子に乗ってると〆られた。ユージィとニノはどうやってやられたかも分かってねぇ。引き吊り回されてどうしようもねぇ(笑)」
「「
「仕方がねえだろ。あれには勝てねえよ(笑)」
「・・・」
「1年間シマの親に子供売らせるなよ、演習場から北東門までの露店と掃除は・・・オットマンお前が仕切れ、若い奴連れて行っても構わん、絶対に問題を起こすなよ。子供売らせた奴は俺がキッチリ〆てやる。ゴミの件もだ!お前らも貴族の怖さが分かった
流石の裏社会の者も暴力ハリケーンの様な貴族は初めて見た。戦う気も失せる程の凄さだった。子供であんなんだ。騎士の凄さも知っている、戦争行かずに正解だとソルマンは思った。
「人間じゃ無かった・・・」
「あれが貴族・・・」
「俺の名前を知ってた・・・」ユージィ。
「俺の名前も・・・」ニノがブルっと震える。
「分かったな?すこし大人しくするぞ、子を売りそうな親は金を渡して家族に少しは楽させてやれ。大人しくして他のシマが調子に乗ったらお貴族様が行く筈だ、何でも知ってるぞ(笑)」
ガキの頃、悪さすると親に〆られた事を思い出した。
「痛かったなぁ」
ソルマンは頬に手をやりポツリ呟いた。
台風一過、北東街の組織は固まった。
アルは神聖国に連れて行った貧民家族の
何でも知っていなかった・・・。
アルが知らない事もあった。
ソルマンとユージィとニノは敵意を抱いてしまい魅了されていた。蹴られ殴られながらの説教に無理矢理同意のはいしか会話してない為に魅了は(小)だった。
ソルマン「分かりました!」
聞き分けが良いのでは無かった。
・・・・
椅子に座り葡萄ジュースを飲みながら
目を覚ましたサラウッドに言う。
「格好悪かったから左腕治しといたぞ」
「・・・」
左腕を見てまた夢かと思ってる。
「どうした?信じられねぇか(笑)」
「格好悪かったですか?」
「あぁ、戦争で負けたみたいじゃねーか」
「3人冒険者にしたいのが居ますがいいですか?」
「支度金だ、好きに使え。7位なら充分揃う」
小金貨4枚(80万円)渡した。
「その3人はお前の時より恵まれてるな(笑)」
「・・・」サラウッドは目を見開いて驚いた。
「ギルドでうちに入れないと7位じゃ泊る所ねぇぞ(笑)」
あ!〆るモードで喋ってた!
※〆るモードは明が先輩方から
「僕はそう思うな」
「(笑)」
サラウッドは楽しそうに笑った。
サラウッドがここで暮らした小さな5年分の荷物をインベントリに入れて二人でクランを目指した。
・・・・
11月29日。
俺は14歳となった。
覚醒して一息ついた時には、12歳の春までには出てかなきゃと思い込んで焦っていたのでマジ嬉しい大誤算。生きる強さと知り合いをたくさん手に入れた。
身長も144cm 体重は44kg バランスもとれてる。
11歳~14歳に身長が一番伸びる時期みたいで、成長が3年遅れだと俺はこのゾーンに入った筈だから期待大。
獣人とかは背の高いのいるんだよ。こっちの人族の男子は160~175cmって感じかな?女子は150~165cmって感じ、それも栄養状態によってマチマチだから俺は伸びる事に期待している。
14歳の抱負は置いて。
明日の11月30日はハーヴェスが10時、ミランダが14時にラムール商会の港湾倉庫に兵器の現品を確認に来る。俺はラムール会長に付き従って神教国タナウスの皇太子として立ち会う。
一旦、大山脈の武器倉庫に飛んで確認作業。リンダウ製の武器なのでリンダウの痕跡検索・・・無し。全てにクリーンを掛けて風の精霊に粉を連れて行ってもらう。
大大砲60 中大砲60 小大砲60 大中小砲弾それぞれ3000発分魔動回路3 大中小大砲火薬3000袋 をインベントリに入れていて気が付いた。あ!火薬袋を知られてたらバレるぞ。大きさと色と威力、ハーヴェスとリンダウは植民地で戦ったと聞いた。鹵獲品と同じなら疑われる。
それ以前に恩寵が怖い、魔眼なら隷属と決めてる位怖い。
俺が特に警戒してる魔眼はこれだ。
鑑定眼、看破眼、読心眼、予知眼、未来眼、過去眼、真偽眼、追視眼。何をしようが一発でバレると思う。視る深度にもよるが何も
対策は練ってある。
明日の朝、これらを持った能力者をハムナイで見つけ次第に隷属して神教国の密偵(スパイ)と洗脳する。それで神教国に都合の悪い事は一切言わなくなると思っている。
神教国から帰国せよと呼ばれるまで敵国で情報を集めるスパイ(笑) それはアルが考えるに、なりきりスパイかぶれのおっさんなだけだ。平和で良い。
取り合えず大中小の火薬袋を持って冒険号に跳ぶ。
「コア(えもーん)お願い!」
すぐに俺の目の前にコアが生成される。
「アル様、なんでございましょう」
「この大中小を3000袋ずつ作れないかな?」
「この袋は?」
「大砲の火薬なんだけど、作れる?」
「作れるとは思いますが、観測させて頂きます」
「・・・」
「どれも同じ成分。火薬量で威力が加減されてる様ですが、相当非効率な上にずさんな生成ですね」
「何か良い意見有る?」
「分子結晶の均一化と燃焼速度の向上で7/10の分量に」
「明日までにできる?」
「大中小の3000袋であればすぐに」
「他の火薬も出来る?」
「有れば格納庫に出して下さい、船のエネルギーを使わずに済みます」
「分った、全部持って来る。袋も新たにして神教国タナウス海軍工廠と入れてくれたら嬉しい」
「かしこまりました」
大空洞倉庫の中で火薬袋検索で強奪掛けて持って来た。
「これ全部お願い」
コアが用意した大きな円筒のコンテナに火薬を出して行く。言われた分量入れるとショートジャンプでどっか飛んで行く。すぐに円筒コンテナが現れるので火薬を乗せる、飛んで行く・・・。
「どこでやるの?」
「今回は全て宙域ですね」
「宇宙だよね?」
「宙域なら分子の均等化に手間取りません」
「そうなのね?」 まぁいつものことだ。
「今の世界の大砲は僕の知ってる導火線の大砲じゃないの、火魔法で着火するんだけど問題無いよね?」いつも蛇足になるけれど心配なので聞いてみる。
「問題ありません」
「今全ての火薬原料の不純物を取り除き、均一な結晶構造の分子で混合も平均化され容積率0.668倍で袋に生成されております」
「え!」
「元の袋も一度原子(元素)に分解され、再構成後新しい袋にされてます。原子(元素)の余りは分解され冒険号のエネルギーにストックします」
「はい・・・ありがとう」
原子の再構成?
何でも出来る、それは世に有る物の全てを再現できる。HとOを組み合わせて水。CとHでメタン・・・
あの自販機、食べ物も何もかも原子を組み替えて再現してるっぽいな。計測した焦げ目も付けてるんじゃなくて同じ様に同じ場所に生成してるんだよ。イヤ、原子自体を作ってるぽいぞ。
アルの頭に魚群が流れた。脳内麻薬が頭をスッキリさせる。
キャイーンの皮! 剥ぎ取りのいるダンジョンのオーク!
原子から瞬時に生成されていた。時には皮に、時には肉に。そしてそれは一度観測した物、すなわち均一のドロップとなる。戦ってたのがナノマシンと聞いて、そのままドロップや肉に生成されると言ったからナノマシンが肉や皮になると思ってた。
勘違いで笑う!
もっと小さい原子組成で瞬時にナノマシンさえ生成されてた。
そんな魔法分かるか!(笑)
次回 222話 軍事に消えるお金
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この物語を読みに来てくれてありがとうございます。
読者様にお願い致します。
応援ポチ。☆も頂けたら嬉しいです。
ポチをしてくれる事。それはとても励みになるのです。
一期一会に感謝をこめて。よろしくお願い致します。
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