第19話 能力者VS大司教
前回のあらすじ
二つ目の条件(神谷の言った事)
「被害者に普通の女の子が着る可愛い靴と服を弁償して、証拠にその服を着せて提出」
魔改造後(富田一派八人の思い込み)
「神谷先輩がレポートで自分を犠牲にしてまで助けた、片思いの可愛い内田の写真を季節ごとにいっぱい欲しがっている」
二つ目の条件が三カ月の放置で二つ目の欲求になった。
〇五万円分の服はいっぱいだから写真もいっぱいだ。
〇神谷がレポートで自分の名前も載せていた。
〇春夏秋に提出と言った。季節ごとと言える。
〇被害者=内田である。
△欲しがってるのは神谷の勘違い。
✖靴と服は片思いに変異している。
✖変異している!
内田への片思いが八人共有の事実。想いを
能力者対大司教、
以後、神谷VS関谷戦は激闘となる。
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真実の中に潜り込んだ小さな嘘(思い込み)はやっかいである。
「神谷先輩、佳代ちゃんの事が好きなのかなぁ?」
ぐらいならどうでも良い。
条件で出した個々のワードが超絶合体し呪詛の呪文となった。
呪文は変異し狂信者達に感染爆発を起こしていた。
今の状況はマズイ。神谷は置かれた状況を視て焦っている。
関谷は八人の願い、内田の想いを伝えようと必死だ。
状況証拠が
もはや追い込み漁である、伝統漁法で袋叩きである。
春に証拠写真が提出されたときにお礼の言葉「おぅ、可愛い写真ありがとう」とか言うから余計に勘違いが進行し、ややこしくなっている。
後日増田に「こないだ内田の写真ありがとな、20枚はやりすぎだモデルが疲れただろ(笑)」と内田の写真ありがとうと言っている。
このような契約や約束事の差異や勘違いを無くすために契約書があることを皆が幼くて知らないのだ。しょうがない。
・・・・
時は現実の(異様に安い)ファミレスに戻る。
そこでは痴話喧嘩の真っ最中だ。
「あんなに佳代ちゃんの写真欲しがったのに!」
泣き声で喋らないで。俺そんなに欲しがった?
「先輩は他の人が好きになったのかもしれないですけど」
ちょ!泣き叫ばないで!おねがいー!
「ちょ!周りが!小さい声で」
別れ話の浮気野郎に周りからフラッシュが焚かれている。
「噛・さん・んで粥ち・・・鮭・ん・・か?」
泣いて震えながらしゃくり上げて喋っちゃダメ。
「違う違う!そうじゃない!そうじゃない!」
すでに何を否定しているのかも分かってない。
「今度も佳代ちゃんの、夏の写真が欲しいなぁ」
どうどう!泣き止んでくれ!冷静になってくれ。
「佳代ちゃんの写真は秋まで貰えるから楽しみだなぁ」
二発目。これでリセット行け!緊急退避だ!
「可愛い佳代ちゃんの写真は癒されるからなぁ」
もう一発!とどめだ!食らえ!退避ー!退避ー!
「?!」
泣いた顔で崩れていますが、あなたも結構美人ですね。
「今度も関谷さんが撮ってくれるのかな?」
やっと泣き止んだ。この話題で乗り切って店出るぞ。
「はい、先輩が気に入る可愛い写真を撮ってきますね」
やっと落ち着いた。怒るとイメージも過激すぎる。
「うん、楽しみにしてる」やっと落ち着いた。
「ですよね!」コラ、念を押すな。流してくれ!そうじゃない、そうじゃないんだ!
この子、選択肢がON-OFFのONしかない。一択しかない。どうすんだコレ、OFFのイメージないと育てられない!
今からOFFを作るのか?めんどくさい奴め。
恐ろしいほど思い込んでるのに作れるのか?
ヒロインが幸せに結ばれる瞬間を絶対見逃さないと
会わない様に避けていると聞いて、待ち望んでいる佳代ちゃんが半狂乱で暴れ回っている。
幸せにしないと敵認定って佳代ちゃんが過激すぎだろ。
全部お前の共感的な怒りだからな。内田はそんなじゃない。
田口から言われてる事もあるだろうけど、皆の勘違いや内田の想いを背負い過ぎだ。お前がどんなに情が深いか良く分かるよ。ホントごめん。
内田の気持ちもお前の気持ちも解ったよ。
俺だって逃げねぇよ、今は時間稼ぎに一時撤退するだけだ。
だから、全力で阻止させてもらうぞ大司教!
「俺さぁ佳代ちゃんのファンだけど、難関大狙ってるんだ」
このワードはどうだ!・・・おぉ!なんか悲恋ぽく。(神谷も緊急退避中。絶対に好きとか恋とか言わないように気を付けている。が!釣られて佳代ちゃんと呼んでいるのに気が付いていない)
「お前たちも夏過ぎたら受験とか模試で忙しくなるぞ」
よしよし、あからさまなダークのイメージで恋愛よ沈め。
「今、夏期講習の予備校何処にしようか迷ってるんだ」
効いてる効いてる、このまま受験一色で塗りつぶせ!
「受験生ですもんね」おぃ、そんなに落ち込むなよ。
「俺も佳代ちゃんの夏の写真見て勉強頑張らないとなぁ」と勉強を付け足してちょっとだけ上げておく。
関谷のイメージの方向が、恋愛から受験方向に加速しだす。
あー!行くな、突っ走るな、止まれ、止まれ!
マテ!
なんで佳代ちゃんが俺の夜食運んでいるイメージ出るんだ!色々おかしいだろ!
違う、違う!
佳代ちゃん学年違うから!一緒に合格できないから!同棲しないから。
え?あ!俺が一浪するんかい!バシ!
恋愛脳女子高生って現実とか全部飛び越えて妄想こんなんか!
俺というか、うちはそんなに貧乏じゃねぇ!なんだ、その一浪して貧乏学生が安アパートで愛をはぐくみながら同棲するって。そもそも風呂なしアパートとか、そりゃ釜ヶ崎の木賃宿だ!
あ!そうね、その発想なかった(笑) 悲劇のヒロインはそうなのね。
イジメの過去と貧乏と親居ないとか佳代ちゃんにあやまらんか!
おまえ、もう一回土下座しろ。
経験無いんだから、俺と佳代ちゃんのそんなの想像するな!俺の息子はそんなんじゃない。
受験以前に保健体育から勉強しろ!
そもそもそれは弟のみょうがだ!俺の違う!
何か色々先走っている妄想がすごい。
受験ワードに耐性が付き始めている、その前に決める!先の見えない現実から妄想に逃避してる今がチャンスだ。
関谷の中ではボロを
「あなたは不幸なんだからもっともっと幸せになっていいのよ、私が必ず見届けるわ」みたいなのもある。良い
お前の妄想で小説書けるぞ!ネット投稿行け!
妄想とツッコミを
「受験とファンの両立はやっぱ難しいな」ドルオタか!
「夏過ぎは関谷も男の影だけで親が厳しくなるぞ」
「嫌そうな顔をするなよ。我慢は一年半だけだ」
「恋愛とか親に言ったらどっちの親も猛反対だぞ」
「二年生は遊べるうちに遊んでおけよ」
次々と
大司教の猛攻を紙一重に
OFFのイメージは作れなかったが、これは撤退戦である。
大司教の(イメージ上)連れて来た
大司教はレジの向こうに逃げ去る能力者を
後から聞いたら・・・
富田は関谷に、俺のアポを取るようお願いされていた。富田が俺に連絡すると、増田の報告と勘違いした俺の猛追及。結果、何も言えずに俺を怒らせただけで根を上げた。
俺の電話番号を関谷に教えた後、富田からの連絡は途絶えた。
G.Wが終わり、登校して席に着くと机の中に封筒があった。
天満宮のお守りとメッセージが入っていた。
「受験頑張って下さい。内田 佳代」と書いてあった。
朝早く内田に声を掛けられたクラスの浅岡を追うと目が合った。
軽く目礼をし、もう一度淡いピンクのお守りを見て内ポケットに入れた。
次回 20話 始まる前に〆ちゃった
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