第9話 爆裂!復活のライズヘラクレス(3)

 何も見えない暗闇の中、ただ世界に吸い寄せられる感覚。姿勢の制御を失って風に飲まれ、咲良フェニックスは敵を抱えた焔のケルベロスと共に暗黒の渦の中を突き抜けていく。

 轟々と唸る時空の風に混ざって、自分達を呼ぶ声が聞こえる。


「――クソッ、三人でこれ以上はキツイぜ! 合体できなきゃ決め手が無ぇ!――」

「――ライズタウラスももう限界でござる――」

「――信じて戦い続けるだけよ。焔達は必ず戻ってくる――」


 これは仲間達の声だ。自分達の帰還を信じ、今も街を守って戦い続ける彼らの。


「――避難指示の発令された都心では、今もアニマライザーによる防衛戦が続いており――」

「――やっぱりダメなんだよ! 赤い奴がいねぇと!――」

「――お願い、戻ってきて、レッドライザー!――」


 救いを求める人々の声が時空を超えて響く。その中に自分ピンクを名指しする声のないことが、咲良は少し寂しかったが――

 今はそれでも構わない。未熟さと向き合い戦うだけだ。いつか、街の皆にも、ピンクライザーが必要なんだと言わせてみせる。

 フェニックスの中で咲良が拳を握った瞬間、風の唸りに続いて激しい火花が飛び散り、暗黒の渦の向こうに赤い空がかすかに見えた。あっと思った時には、既に咲良フェニックスの体は時空の穴から世界の空へと吐き出されていた。

 羽ばたく間もなく重力に引かれ、フェニックスは激しく錐揉きりもみして地面に叩き付けられる。轟然たる地響きが轟いて、敵を抱えたケルベロスが同じく街に土煙を噴き上げた。

 激しく揺れる搭乗空間コクピットで球体に力を込め、フェニックスを天に舞わせる。仮面マスクのゴーグルに共有されるフェニックスの視界は、夕闇に包まれんとする空の下、炎に飲まれるビル群を映していた。

 鈍色にびいろの像と化したライズドラゴンが、瓦礫の中に倒れている。

 戻ってきた。皆が待つ世界に――!


「ウゥゥガァァ!」


 怪人が醜悪な叫びを上げ、ケルベロスを振り払って砂塵の中に立ち上がる。大型トラックを象ったその姿は今や満身創痍だったが、理性のない目には変わらず破壊衝動の炎が宿っているように見えた。

 そしてもう一体。両腕のタンクを高々と掲げ、ミキサー車の怪人が瓦礫と化したビル群を踏みつけて唸りを上げる。その近くには大地グリーンのライズタウラスが倒れ、苦しそうに呻きを漏らしていた。疾人ブルー光璃イエローが従える二体目の幻聖獣――巨大な烏賊いかの姿をしたライズクラーケンと、ライオンの四肢を持つライズスフィンクスも、敵との戦いにエネルギーを使い果たしたのか、燃える街の中に力なく倒れていた。

 地上に残るブルーとイエローが、群がる戦闘員ツッキーどもに剣を振るいながら、ケルベロスとフェニックスを見上げてくる。


「咲良と――なんだ、その犬はオッサンなのか!?」

「まさか、ずっと前に異世界で敵と刺し違えたっていう――」

『ああ。俺の仲間、ライズケルベロスだ!』


 焔の叫びがケルベロスの咆哮に乗って響いた。そして、二体揃って向かってくる巨大な怪人を目掛け、聖なる獣は地面を蹴って勇猛果敢に飛び掛かる。

 咲良はすかさずフェニックスをその上空に回り込ませた。ミキサー車の怪人に斜め上から急降下で突っ込み、今にもセメントの噴射を撃ち出そうとするその腕に鋭い翼の斬撃を打ち付ける。よろめくミキサーにケルベロスが三つの首で食らいつき、ぶんと首を振ってその巨体を投げ飛ばす。投げられたミキサーと、突っ込んでくるトラックが正面から衝突し、二体の怪人は瓦礫を巻き込みながら炎の中に倒れた。

 その隙を突いて、ケルベロスが六つの瞳から赤熱の光線を倒れた幻聖獣達に向けて放った。タウラスの、クラーケンの、スフィンクスの巨体にエレメントの奔流がほとばしり、各々の目に力強い光が宿る。


『焔どの、咲良どの。生きて帰ってくると信じていましたぞ……!』


 大地の声とともに、巨牛タウラスが鼻息も荒く立ち上がる。

 ケルベロスがぎらりと六つの目で地上を見下ろしたかと思うと、


『ケルベロス・ヘルファイヤー!』


 焔の猛々しい言霊ことだまとともに、ケルベロスの三つの口から漆黒の炎が地上に放たれた。冥府の門を司る聖なる炎が、ブルーとイエローを避け、邪悪の戦闘員だけを容赦なく焼き尽くす。


「すげぇ……!」


 ブルーが呟きを漏らしたとき、異形の声が天を揺らした。


小癪こしゃくな……これ以上貴様の好きにはさせん、レッドライザー!』


 錆びついた鎧に内燃機関エンジンを背負い、ダクトから黒い煙を噴き上げる敵の親玉――タヂカラの虚像が天上に浮かんでいる。


『トラックツクモ、ミキサーツクモよ。アニマライザーどもを潰すのだ!』


 タヂカラの虚像が両腕を広げ、ばりばりと赤黒い稲妻が怪人どもに降りかかる。どす黒い排気ガスを身体中から噴き出し、二体の怪人が醜悪な咆哮を上げて再び立ち上がった。


「奴ら、傷が治ってやがる……!」

『桁違いのパワーを感じますぞ。ドラゴン無しで行けるのでござるか!?』

「心配要らないわ。そうでしょ、焔っ!」


 仲間達がケルベロスに目を向ける。その搭乗空間コクピットで不敵に笑う焔の姿が、咲良の目にもありありと見えるようだった。


『ああ。お前達の知らない力、今こそ見せてやる。疾人、光璃、クラーケンとスフィンクスに!』


 歴戦の勇士の声を受け、ブルーとイエローが各々の変身携帯アニマフォンを突き出して、ライズクラーケンとライズスフィンクスに一体化する。グリーンのタウラス、そして咲良のフェニックスと輝く視線を交わし合い、ケルベロスが高々と咆哮を上げた。

 鋭く地を蹴り跳び上がるケルベロスに、聖なる幻獣達が呼応する。


『行くぞ! 幻獣合体!』


 本能が導くままに、咲良も仲間と共にその掛け声コードを復唱する。ケルベロスが胴体に、タウラスが両脚に、クラーケンとスフィンクスが各々の腕に、そしてフェニックスが胸部を飾る美しきたてがみに。猛犬の頭の一つが胸部で遠吠えを上げ、その上に現れた巨神の顔が凛々しき両眼で邪悪を射竦いすくめる。

 搭乗空間コクピットに五人が並び立ち、生身の焔が新たなる精霊巨神の名を叫ぶ。


「降臨! ライズヘラクレス!」


 精悍なライズタイタンとはまた異なる、マッシブな力強さを感じさせるシルエット。両肩に猛犬の砲門を背負い、剛力の闘士が燃える街を踏み締める。


「ウゥゥ……ガアァァッ!!」


 トラックの怪人がビルを蹴散らし、エンジンを吹かして突撃してくる。ライズヘラクレスは僅かに腰を落とし、その突進を正面から受け止めたかと思うと、そのまま敵の巨体をスイングで投げ飛ばした。恐るべき怪力に咲良達が搭乗空間コクピットで目を見張る、次の瞬間には、逆方向からミキサーの怪人が迫っていた。


「疾人!」

「おぉ! クラーケンネット!」


 右腕のクラーケンが噴出するすみのネットが、たちまちミキサーの怪人の動きを止め、


「レオンスクラッチ!」

「タウラスキック!」


 イエローの気勢で繰り出される左腕の爪と、グリーンの叫びに乗せた力強いキックが、敵を遥か後方へと跳ね飛ばす。


「グガァァ!」


 再びトラックの怪人が向かってくる。ケルベロスの力とフェニックスの力が搭乗空間コクピットで溶け合うのを感じ、咲良は焔の指示を待つことなく言霊ことだまを叫んでいた。


「フェニックス・ヘルバインド!」


 疾風の勢いで撃ち出される地獄の炎が、トラックの巨体を漆黒のいましめで縛り上げる。


「トドメだ! 爆裂ばくれつ砲火ほうか! ハウリング・ファイナル・バースト!」


 五色のエレメントが天地を染め上げて唸り、胸部と両肩に備わったケルベロスの三つの頭が一斉に吼える。三位一体の砲門から放たれる冥府の炎がエネルギーの奔流と化し、トラックの怪人を焼き尽くした。


「グギギ……ガアァァァ!!」


 心なき断末魔の叫びとともに、二つの世界を苦しめた魔物が呆気なく爆発四散して果てる。爆炎を背に振り向いた巨神は、既にもう一体の敵を見据えていた。


「グガァァッ!」


 クラーケンの墨のネットを力任せに引きちぎり、ミキサーの怪人が腕のタンクから灰色の噴流を放ってくる。咲良は電撃の速さで己の役目を察し、言霊ことだまを唱えた。


「ウインディ・シールド!」


 疾風のエレメントが竜巻の盾と化して巨神の前面を包み込み、敵の噴流を食い止める。


「ガアァァ!」


 敵が吼え、押し寄せる噴流がその圧力を増す。風の防壁だけでは間に合わない。だが――


「まだ……っ!」


 片手で球体に力を込めながら、咲良はバジリスクのクリスタルを掴んだ。焔への思いで呼び覚ましたその力を。


「幻獣武装! ライズヘラクレス・ソード&シールド!」


 咲良の召喚に応えて飛来したバジリスクが、風を纏って姿を変え、ヘラクレスに装備される。万物をうがつ大蛇の剣と、全てを守る翼の盾となって。


「フェザーシールド!」


 咲良は風の防壁を解き、臆せず盾を突き出した。バジリスクの盾がきらりと赤銅の色に輝き、ライズドラゴンをも硬化させたセメントの噴流を聖なる力で弾き返す。

 凄まじい力が自分の全身に満ち溢れるのを感じた。エレメントの力は心の映し身。守りたいという思いが背を押す限り、この盾に防げぬものなどない!


「グ……ガァッ!」


 全てのセメントを撃ち尽くしたらしく、敵が最後の抵抗とばかりに地を駆け突進してくる。仲間達と視線を向け合い、咲良は剣に力を込めた。


鋭牙えいが断砕だんさい! ヴァイパー・ストロング・ディバイド!」


 ライズヘラクレスの剛力で振るわれる大蛇の剣が、突っ込んでくる敵を頭上から真っ向両断する。

 怪人が断末魔とともに火花を噴き上げて倒れ、天地を揺るがす大爆発が巻き起こる。ライズヘラクレスは血糊を払うがごとく剣を一振りし、人々にその勇姿を見せつけるように見得を切った。


「――やった! アニマライザーが勝ったぞぉ!――」

「――ありがとう、アニマライザー!――」


 彼方の地上から快哉を叫ぶ人々の声が聞こえる。街に溢れる喝采の海の中、ヘラクレスは倒れたドラゴンにゆらりと身体を向けた。ミキサーツクモを倒したことで硬化が解け、真紅の輝きを取り戻したドラゴンが、雄々しく翼を広げて空に咆哮を轟かせた。

 搭乗空間コクピットの中で、焔の握るドラゴンのクリスタルが赤い光を放っている。

 並び立つヘラクレスとドラゴンの勇姿を見下ろし、敵の親玉の虚像が声を張り上げた。


『おのれ……どこまでも我らを阻むか、アニマライザーども!』

「当たり前だ! 俺達が居る限り、貴様らツクモーガの野望は遂げさせん!」


 灼熱の瞳で敵を睨み上げ、焔は叫んだ。咲良も光璃達とともに敵を見上げ、焔の言葉に続いて頷く。


『次こそは貴様らを捻り潰してやる。首を洗って待っているがいい』


 最後にそう言い残して、親玉の姿は風に溶けるように消える。あとには星の瞬く夜空が残るばかりだった。



「……まったく。どうなることかと思ったわよ、焔」


 光璃イエローが疲れ切った様子で球体に身を預けて言った。焔の不在時に率先して仲間に希望を説くのも彼女なら、いざ戻ってきた彼に真っ先に軽口を浴びせるのも彼女だった。


「そうっすよ。ま、二人とも無事に戻ってこれてよかった」

「咲良どのも、何やら一層成長したようですな」


 大地グリーンの言葉に、えっ、と咲良が声を漏らすと。


「ああ。生きて戻れたのは咲良のおかげだ」


 焔は微塵の躊躇ためらいもなく、咲良に目を向け、クソ真面目な顔でそう言うのだった。


「君がピンクライザーになってくれてよかった。君は俺の誇りだ」

「……あの、えっと」


 意地悪いことに、仲間の誰もこの状況を茶化してくれなくて。


「……恥ずかしいです」


 仮面マスクを被ったままでも真っ赤な顔を隠しきれない気がして、咲良は思わず皆に背を向けた。



 ◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆



 この日ばかりは流石に戦闘後のミーティングは翌日送りとなり、各自しっかり休んで疲れを癒せということになった。疾人も大地も、咲良達の異世界での体験を聞きたがっているふうだったが、結局は連戦の疲れが勝ったのか、二人ともねぎらいの言葉も早々に帰途についてしまった。


「……今さらだけど、ボロボロですね、レッドさん」


 血と雨と泥にまみれた焔の姿を見上げ、咲良はくすりと笑った。変身を解いた自分がそれに輪をかけて酷い見た目なのは、もちろんわかっていたが。


「水も滴る何とやらと言うだろう。……今夜はゆっくり休め。風邪を引くなよ」


 ぺたんこになった咲良の頭を傷だらけの手で撫でて、焔は暑苦しい顔に優しい笑みを浮かべてきた。少し前ならこの手を振り払っていたなあ、なんて思いながら、咲良は恥ずかしいくすぐったさの中で頷く。

 エレメントクリスタルから出現させたバイクに跨る焔に、咲良はふと思いついたことを言ってみた。


「……今度、一緒に現場に向かうときは、後ろ乗せてもらってもいいですか」

「飛んだ方が速いだろう」


 何を言ってるんだ、という顔で焔はヘルメットのバイザーを下ろし、そのままアクセルを回して走り去ってしまう。

 咲良は一瞬ぽかんとしてから、小さく吹き出してしまった。せっかく勇気を出して言ってみたのに、とか、そういうことより、彼の返しがあまりに彼らしくて。


「あーあ、せっかく咲良がデレたのに。だからあの歳でアニマライザーなのよ、あの男は」


 少し離れて聞いていた光璃が、呆れた笑いを浮かべながら咲良の隣に立った。


「ほんとに。……って、デレてないですって!」

「今のをデレるって言わないで何て言うのよ」

「……むぅ」



 それから光璃は、焔のかわりに咲良をバイクの後ろに乗せて秘密基地まで送ってくれた。女子メンバー専用のシャワールームから出て、基地に常備してあった替えの服に着替えて大部屋に戻ると、彼女は熱い紅茶を淹れてくれていた。

 時間の流れの異なる異世界から戻ったせいで、頭も身体も時差ボケのように重い。だけど、家に帰って休むより、今は光璃にお喋り相手になってほしい気持ちの方が上回っていた。


「……ねえ、光璃さん」


 テーブルを挟んで光璃と向き合い、咲良は尋ねてみる。


「レッドさんと二人で出掛けてたのって、ひょっとして、昔の仲間のお墓参りとかですか?」

「んー?」


 光璃はカップを持ったまま、少し意外そうにぱちりと目をしばたかせた。


「知ってたの?」

「……ううん。なんとなく、そうなんじゃないかなって思って」

「勘がよくなったじゃん」


 彼女は手元に目を落とし、切なさを隠した声で言った。


「今日は、あたしを庇って死んだ人の命日だったの。素敵な人だったな」

「……男の人?」

「そう、二代目ブルーさん。ほら、前に、いいなって思う人くらいは居たけどって言ったじゃない。その人のことだよ」


 何の勿体付けもなく、光璃はさらりとそれを明かしてくれた。


「アニマライザーになってからあたしが人を好きになったのは、それが最初で最後。……だから、咲良、なんにも心配しなくていいよ」

「……え、何がですか?」

「焔とあたしがデートだって疾人達がからかったんでしょ? ないから、ないから。あたしとアイツに限ってそういうことは」

「……だから、心配しませんから! わたしこそ、レッドさんとそういうアレは全然ないですから!」


 ムキになればなるほど光璃に笑われるとわかっていながらも、咲良はぶんぶん手を振ってしまう。

 くすくすと微笑む先輩を前に、むぅ、と小さく唸って、咲良は顔を隠すようにカップに口をつけた。

 この世界では半日くらいしか経っていないのだろうが、なんだか随分久しぶりに暖かい飲み物を口にしたような気がする。

 異世界での激動の体験が走馬灯のように脳内を回り、最も光璃に聞いてほしい話のところで止まった。


「……でも、わたし、レッドさんと恋バナしたんですよ」

「へぇ?」


 光璃はカップを置いて身を乗り出してきた。


「焔の初恋の人が咲良に似てたって話?」

「え!? そうなんですか!?」

「知らない。あたしが今考えたの」

「ちょっと!」


 手にしたカップから危うく紅茶がこぼれそうになるのを、すんでのところで食い止め、咲良は光璃につられて笑った。

 ことりとカップを置いて、咲良は思ったままに口にする。


「でも、それ、あんまり嬉しくないですよね」

「えー、そう?」

「だって、誰かに似てるから好きとかイヤじゃないですか。ちゃんと自分のこと見て好きになってくれないと」

「……ふーん、咲良はそれが望みなんだ。わかった、あたしが責任持ってリーダー殿に伝えとく」

「だから、わたしがとかじゃなくて! 一般論ですよ!」


 思わずテーブルを両手で叩いてしまう咲良の前で、振動でこぼれそうになるカップを光璃がしっかり取り上げてくれた。


「わかってる、わかってる。……でもよかった、咲良が焔と打ち解けてくれて」


 少しだけ真面目な副リーダーの顔になって、光璃は言った。


「まだまだ厳しい戦いが続くと思うけど……皆で生きて戦いを終わらせようね」

「……はい!」


 咲良もまた、真剣に頷きを返した。

 戦いはまだ途上に過ぎない。あのタヂカラという黒幕を倒し、さらには新たな黒幕の生まれ出る根源までも絶たなければ、自分達が生きて使命から解放される日は永遠に訪れない。

 ……だが、不思議と恐れはなかった。どんなに苦しい戦いの中でも、仲間達の温かさと、彼の熱い炎が自分を奮い立たせてくれるから。


「わたし、負けませんよ」


 少しだけ強くなった気のする拳に、ぐっと力を込め、咲良は誓いを新たにした。



【第一クール 完】

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