第22話 切迫戦争百合編/地獄の底

うめき声が満ちていた。

雑に寝かされ死んでいく兵士たち。

従軍看護師という名ばかりの私には何もできなかった。


彼女は血で汚れた顔で懇願する。


「死ぬの怖い…。手を握って…」

「私でいいの?」

「うん。あなたでいい」


私は彼女の手を握ってあげた。

ようやくできることを見つけられた。

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