1冊の本を手にしたら 2

星崎藍苺

プロローグ

 桜宮中学校3年の春木はるき 音香おとかです。

 もう転校してきてからそろそろ1年が経ち、12月になりました。私は今……

 受験に追われています!こないだ親友の松村まつむら みお花宮はなみや 茉莉まり3人で同じ高校に行くため、桜宮市の隣町 しゅうざくら 市にある県立百合が丘高校の学校見学に来ていた。

 施設見学もできて、私の大好きな本が読める中学校より大きい図書室を見ていたが、

 6月に見たあの桜宮中学校の怪異の茉莉が新しい方の図書室で見つけた緑黒いカバーになった別編がなぜか高校にあった。そのとき朝翔あすかも一緒に4人で行動していたのですぐ中身を見ようと思ったのだが、時間が来てしまい、何も見れずに終わってしまったのだ。


 そして今みんなで本のこともあり百合が丘高校を第1志望として頑張っているのだった。

 澪はすごく頭が良く、偏差値58の百合が丘だと低くもっと上を行けるのではないかと先生に進路相談で言われていたそうだ。茉莉はこのままなら大丈夫だろうと言われていたらしい。一方私は普通なのでやばいです。

 1月までに志望校を変えさせられる可能性が……うわぁぁぁ。

 私は心の中で苦しんだ。


 少しずつ暖かくなる3月。

 そして音香の誕生日の月。3月。

 3人は無事合格した。やっと3人の心と見守っていた明翔の心も安堵に包まれた。

 早咲きの桜が咲き、3人を祝福するように花びらが舞う。

 茉莉が気づく。あの水雫みなという図書室の少女も後ろで祝福の拍手をしていた。

 茉莉はこっそり水雫に聞いた。

「高校も付いてきてくれるの?」と。

 水雫は驚いた。「えっ!私の事見えてるの!?」

「私は見えてるよ。そういう体質なんだ。

 まぁ、私たちを巡り合わせてくれた水雫さんには感謝しなきゃね。」

「できるならついていきたいよ。

 あと音香に伝えて欲しい。幼い頃に私たち会ってるんだよ。ってことをさ。」

「分かった。じゃあまた会えたらよろしくね。水雫さん〜。」

 これから私たちの。みんなの。

 高校生活が始まるのであった。




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