一日一編集『虹かくれて見えず』

朶骸なくす

小雨時々降る

外に出ると小雨であった

なので傘は必要不可欠で

道行く人も単色傘を差していた

等の自分は淡い青から紫色の傘で

虹とはいかないが空の色だ


一つのお気に入りを持っていると

心も躍るのであろう

買い物という面倒くささも

一緒なら心強かった

頭の中で買うものを唱え

嬉々として扉をくぐると

買い物籠とアルコール消毒をして

慣れたスーパーマーケットの道を行く

ぽん、ぽん、と入れていき、

途中で「お土産」を見るのだ

買うものという金額が決まったものに

ご褒美の「お土産」

本当は買う予定はないが、ちょっと買いたいもの

今日は『さけるチーズ』を見ながら悩んだ

しかし棚に戻す

クセになったら止まらない

自分のチョコ好きが止まらないように

チーズを食べるのが止まらなくなったら

毎日、買うようになってしまう

泣く泣く、ふりをしながら戻したのに

私は誘惑に負けて冷凍餃子を買ってしまった

夕飯にするのだ

会計を済ましてマイ手提げの餃子を見る

ちょっと「お土産」気分でテンションが上がってしまった


外を出ると、まだ小雨だった

どんより空の雨なので、天気雨にはならない

虹の傘を差しながら家に帰る……とはいかない

私はコンビニに寄り、パスタとリプトンとコーヒー牛乳とさけるチーズを買ってしまったのだ

心は小雨の軽さで浮き立っていたらしい

自制心がない私よ


小雨のせいで荷物は濡れない

濡れないなら買っていい

晴れではなくてよかった

そう思う、十一月の初め

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