通りすがりの猫女

序章 通りすがりの猫女

金城美依子-１

　あたしの名前は金城美依子。

　どこからどう見ても、うら若き美しき乙女にしか見えないが、実は他人には言えない秘密がマウンテンだ。

　まぁそれは追々話していくことにして、今はそれどころではないので割愛させてもらうとしよう。

　実はさっきから、あたしの後ろを付かず離れず着いてくる命知らずな人影が、チラチラ視界の隅を掠めては消えているんだよね。

　あたしを【あたし】と気付いた能力者かな？まさかあたしのビボーの虜になったナンパ師（へんたい）って訳じゃないよね？ぷぷっテヘペロ。

　まぁ何にしろ、面倒だけと相手しなきゃね。

　あたしの命を脅かす者は何人たりとも許さない。

　あたし、自らの手で、どぶ川にでも流してしんぜよう。パチンコで負けてイライラしてたんだよ。

　……別にストレス解消しようってわけではないよ？ホント死活問題なんだって。やむを得ず相手してるってわけ。

いやホント。

　さてそれではあたしの命を狙う不逞な輩を退治するとしましょうか。話はそれからね。