バカと学園生活

カズマ

バカと学園生活2

昼下り、天気がいいので僕らは屋上でご飯を食べることにした。

「しっかし、お前の弁当質素つうか、それは弁当なのか」

拓哉が僕が弁当箱を見ていた。

「袋めんでもお腹は膨れるからね」

僕は最近新作ゲームを買ってしまって今月は金欠なのである。

小さい頃からゲームソフトの棚がぎっしりなるほどゲームが好きなのだ。

「袋麵っていってもそれ割って食べるものじゃないないだろう」

「僕は思ったのさ、ひとつのも分けるとふたつになる。また分けると4つになる。

 そうすることでいくらでも食べられることにね」


「お前の頭は本当何才児だよ」

拓哉のやつ僕の天才ぷりに驚いているのだろう。

「確かに葵のご飯は侘しいのう」

「確かに」

「涼太、それに楓馬も美味しい麺だけでも」

「「いやいや」」

みんなから不評らしい。


大体のメンバーで僕らはご飯を食べている。

「お前落第者なんだから割引券使えるだろう」

学校のおバカの烙印、落第者は学校に労働を提供する代わりに購買、食堂を安く

提供される。

「そうなんだけどね、自分で作る方が何か安いからね」

「てか拓哉は自分弁当作ってるんだよね」

「ああ、おふくろが箱入り娘だから、料理が全くできないだよ。自分で作らない

 と変なやつ食わさるに決まってるからな」

拓哉の弁当はガッツリ肉メインだが、なかなか美味そうだ。

「拓哉麺とおかず交換しない」

「断わる。だが麺交換するバカがいる」

「ひどい、僕らの仲じゃないか!!」

「そんな仲しらん」

なんて人間味のないやつなんだ。


「なんでさ、少しくらい分けてくれてもいいじゃないか。こんなにひもじいのに」

「自業自得だろう。ゲーム売ればいいだろうが。少し食事代くらいにはなるはずだ」

「それは、、でも」

「はいこれでおかずの話はお終いな」

せっかく集めたゲームは手放すのはお終いからね。お金を貯めて買ったわけだし。

「あんたちもここで食べてたの」

ガタンと屋上の扉から二人入ってきた。

二人は僕らの近くに座った。


「何葵あんたそれだけ」

ポニーテールが似合う元気な女の子鮎川香澄あゆかわ かすみ…

体型は男の子に近い。そういうとボコボコされるので程々してにとおかないいけな

香澄は僕の弁当を見て驚いた。

「そうなんだよ」

「またどうせゲームでも買んでしょ」

「なんでわかるのさ」

「あんたが単純だからよ」

香澄は当然だと言わんばかりでいた。

そんなに僕わかりやすいかな。そう思って周りを見ると皆頷いた。

嘘でしょ。


「葵くん大丈夫ですか」

可憐で香澄と正反対で豊かなお胸さまをもつ井上瑞稀いのうえ みずき…

成績優秀で美人なので校内で人気が高い。

「井上さん大丈夫、ぐうううう」

恥ずかしい、こんな時にお腹がなってしまうなんて。

「それでしたら私が作ったサンドイッチ食べませんか」

「いいの」

正直お腹が空いてたから、ありがたい限りだよ。

「はい」

「へぇ瑞稀料理するんだ」

香澄がちょっとだけつまんなそうにしていた。

「お口に合えばいいんですけど」

「良かったの葵」

「皆さんの分もありますよ」

「まじか」

拓哉も食いついた。

「そう、なら私はいくは」

「どうしたの香澄」

「別にあんたを茶化しにきただけだから」

本当に香澄は何しに来たんだよ。

「香澄ちゃん食べ終わったらバケット返してくれたらいいですか」

「井上かたじけない」


井上さんは香澄を追いかけて屋上を後にした。

「なんだったんだろう。井上さんの手料理か、男子からしたら宝物だよね」

「むむ一見普通のサンドイッチじゃないか、どれ食べてみよかな」

涼太は一つ取って見た後、口に入れた。

「確かにね。金欠の僕にはパンの耳だけでもありがたいくらいだよ」

「どんだけひもじいんだよお前は」

拓哉は酷く呆れていた。

「ねえ涼太どうだった、てっえええええ」

涼太が白い顔をしながら、急にばたりと倒れこんでしまった。

「おいおいこれはもしかしなくても、やばいやつだよな」

拓哉がサンドイッチを見て戦慄していた。

「涼太しっかりして」

「すまない、、葵これは悪魔の食べも」

涼太をさすって返事がない。そんな、、。

「涼太、、涼太ーーーーー!!」

僕の声が遠くにこだました。

もうひとり静かに楓馬も倒れた。楓馬もやれた。

「どうしよう、これ食べて返さないといけないよね。井上さん

 がせっかく作ってくれんたんだから」

井上さんを悲しませるわけにいかない。


「葵、ひとつ実験をしてくれないか」

「なんだよ拓哉」

拓哉が僕の肩に手をおいた。

「料理には愛情がこもるっていうだろう。そういう料理は美味いって話だ。

 だから愛情を感じながら食べるとどんなものもうまく感じかもしれない」

「でも僕にできるかな」

「いやお前ならできる。いつも気持ちだけで乗り越えてきた

 お前にしかできない」

「僕にしかできない。分かった拓哉を信じるよ」

「ああ」

これは頑張り屋井上さんが丹精込めて愛情サンドイッチ。愛情がこもって

いないわけがないじゃないか。


「よし」

僕は意を決しって食べた。

なんだろうの臭み、野菜の臭みじゃない。香辛料かな。でも

なんか嗅いだことがない。それになんだか頭がくらくらして、、、、、。

僕も二人同様倒れた。

「結論愛情じゃ料理はうまくならない。やっぱりな。まやかしもいいところだぜ」

こいつ、、わかって。図った。絶対に仕返しす、、、ガタン。

僕は意識が薄れ中拓哉の言葉を聞くのだった。

この後、意識不明のまま3人は保健室に搬送されて、僕らは2時間以上寝ていたらしい。

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