第186話 津軽浅虫温泉
津軽浅虫温泉
玉藻の姉妹をひろい、と言うか玉藻と合体して尻尾が二本に成っちゃっただけだけど・・・
と、成ったのが、十和田を過ぎた付近、ここからだと、どこかで休まないとそろそろ日が暮れるとなったら、十和田湖畔に戻ってクリムゾンスパイダーで寝ると言う手もあったのだけど、玉藻が温泉が有ると言うのでこの浅虫温泉へと足を延ばして居た。
温泉宿で寝るのも、旅の楽しみだからね。
ちなみに浅虫温泉と言う名は、厳選の温度の高い所で、麻を蒸して居る事から付いたらしい、何でこんな字を当てたのかは誰も知らなかった。
折角だし、ここまで来たのなら明日は弘前を回ってから秋田回りで海岸線沿いに南下して行こう。
しかし、錆びれた温泉だなぁ、私の印象はこんな感じだった。
でもお湯は非常に素晴らしいと聞いて居たので楽しみだ。
海にも近く、山もある、そんな温泉なので料理は初めから期待していた。
案の定、お刺身も良いし山菜も秋と言う事もあって特にきのこ類が充実して居て大変美味でした。
煎餅汁が付いて居て、郷土料理も頂け、満足だった。
さぁ、後はお風呂だ、お風呂!
温泉へレッツゴー!
おっ、かなり熱めの温泉・・・
あつっ!結構熱い、でもこの位なら何とか・・・
温泉の泉質的には、ナノマシンの調査では硫酸塩泉、これは良いかも~。
超あったまるし、お肌もスベスベかも?
玉藻ちゃんも一緒にあったまって居る、流石にここでは尻尾出さないでね。
玉藻ちゃんて、着やせするタイプみたいで、オッパイでっけーでやんの、私も大きくなったと思ってたのにちょっと悔しい、ってか、あそこ迄大きいと大変だろうな。
私くらいが一番丁度良いんじゃ無いかなぁ?
なんて負けず嫌いで都合の良い事考えて見たりして。
とっても良いお湯だったので、そりゃもう、お布団に入ったら瞬殺でグッスリでした。
そして翌朝。
今日は当初の予定では、弘前を回って北海岸回りで西へってルートを取るつもりだったんだけど、あんまりにも良い温泉だったので弘前を巡ってそのまま戻って来て一泊しようかな、なんて思い始めていた。
チェックアウトして、ある程度歩いて移動した後、人けが無いのを確認して、クリムゾンスパイダー8号機をストレージから出し、搭乗。
弘前へ向けて走り出した。
今の時期では、既にリンゴは収穫が終わって居るんじゃ無いかと思うけど、逆に収穫が終わったリンゴは沢山有りそう。
私自身もリンゴ好きだし、美味しいリンゴが有ったら嬉しいなっと。
本体も食べるだろうから多めに購入する気です。
ずっと走って行くと、玉藻が素っ頓狂な声を上げた。
「あれぇ?? 何でこんな所に居ったはるんやろう?」
「ん? あんたの姉妹?」
「ええ、何でですやろ、こんなに近づく迄気ぃ付かんかったわぁ。」
「何かがあって気配消してたんじゃ無いのか?」
「そうかも知れまへんなぁ。」
「まぁ、兎に角そっちまで行ってみようか?」
「お願いします。」
急いで玉藻の指示する方角へとスパイダーを走らせる。
すると5分もしない内に、戦闘が見え始める。
方や、白銀の毛並みの美しい狐、それが対峙するは、何だかとんでもねぇデカさの、鈴虫?だった・・・
うっわ、マジ?これ・・・きっもっ!
普通さぁ、異世界転生物のラノベとかで出て来る虫系の魔物って言うとさ、チョウチョとか蛾か、蜂かカブトムシorクワガタムシちゃうの?
後はミミズみてぇな奴?
鈴虫って、巨大化すると意外とグロかった!
しかもこれってさぁ、音で攻撃してくるパターンの奴じゃねぇの?
ちょっとクリムゾンスパイダーを、戦域を避けるように停車して、ズームで拡大して戦闘を観戦する事にした。
あ、やっぱな、これはクリムゾンスパイダーで飛び込んで音波振動でボディー溶かされたりしそうだから私が単独で飛び込むしか無いね。
とか考えていたら、玉藻が戦線に飛び込んで行くのが見えた。
おいおい、むやみに突っ込むとあぶねぇぞ。
飛び込んだ玉藻は、前足で叩き付けられそうだった銀狐を庇う様にして受け流し、銀狐と合体した。
うん、始めよか強くなってるね、そして今、あの銀狐と融合して更にその強さを増した。
面白いな、妖狐って。
三体融合で、一体の強さの凡そ5倍の強さになってる、これって分離した意味は?
あ、そうか、強い人に助けて貰いたくて分離して散開してたんだっけ。
でも、未だオーブの方が強い位だな、これじゃ私が加勢しなければあと5分ももたないだろう。
イオンクラフトで舞い上がって、上空から戦闘に参加する事にした。
音波攻撃のヤバさは私が一番良く知ってるからね。
少し離れるとさ、振動波形も多少緩和されるので距離を取るのが攻略法としては一番単純で良いんだよ。
って事で、上空からの攻撃なら、これが一番良いかな?
雷撃だと自分に直撃しそうだからなァ・・・
かっこいいし詠唱しとくか。
「炎よ、集え、風よ、集え、風よ、炎を煽れ、炎は紫炎と成りてその熱を増せ。
紫炎よ、我が道に立ちはだかる者を打ち滅ぼせ。
ファイアボール・ブルーローズ!」
ってか今考えた魔法だったりするので詠唱も適当に即興だったりするのは秘密。
青紫色のファイアボールは、巨大鈴虫の頭部を焼き、瞬時に全身を包み込み、あっと言う間に巨大鈴虫を黒墨へと変え、搔き消えるようにして消える。
「あ、あの、恵里衣殿??」
「ん?なに?」
「今のは何どすか?」
「複合魔法よ?」
「複合魔法???」
「うん、今即興で考えた、風と炎の複合魔法。」
「そ、即興って・・・」
「まぁ良いじゃない?倒せてあんたも怪我しなかったんだし。」
「そうじゃ無くて、魔法自体が驚きやのに、複合て・・・」
「ちっちゃい事気にすんな!」
「小さ無いどすえ?
ホンマに何者なんどす?」
「始めに会った時に言ったでしょう?
私は賢者って呼ばれてるって。
それで良いじゃん?」
ちっとも納得して居ない顔で押し黙ってしまった。
「さ、次行こう。」
リンゴ農家さんが露店を出して居る街道を見つけ、そこでリンゴを大量に買い付け、大満足で浅虫温泉へと帰って、もう一泊する事にしたのだった。
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