第63話 精霊誕生2

          精霊誕生2

 この領地から南東へ進んだ先にある森、その森を超えた先にある山岳地、そこにある、熊さん達と死闘を繰り広げた沢を遡ってだいぶ奥へと進むと、高原のようなある程度開けた場所が有り、その高原に、泉が有る。

 沢を流れる澄んだ水の水源だった。

 この沢を遡らずに渡り反対側の山地を登って行くとすぐに谷へと地形が変わり、例の魔人と対峙した深い谷へ至る。

 未だあの谷の奥がどうなっているか迄は解らないけど、それは又、いつか。

 脅威だけは回避出来てるからね。

 今は谷では無く、泉の話。

 割と大きく、泉と言うより湖と言っても良いほど。

 ただ、湖と表現しないのは、そこに流れ込む川は無く、水源であることが明白だからだ。

 これだけの水量が常時供給されている例はなかなか無い。

 こんな立派な水源をもつ泉を精霊の住処として活用しない訳にはいかないだろう?

 って事で水精霊作っちゃいました。

 この標高ならば冬季は全面凍結するとも考えられるので、氷精霊も行っとくか。

 上位水精霊、ウンディーネと、最上位水精霊、アクエリアス。

 上位氷精霊、フリージアと、最上位氷精霊、シヴァ。

 ----ウンディーネ----

 透き通った水の美少女な精霊。

 明るい性格、お姉ちゃんのアクエリアスを励ますけなげな良い子。

 〇ウォーターボール、思ったよりも威力があった・・・

 〇ウォーターガン、所謂小型の鉄砲水の魔法なんだけど、超危険な魔法だった。 極力細く集束させたらタングステンのインゴッドに穴が開くほど・・・

 〇ウォーターブレード、尋常じゃ無かった、森の木を薙ぎ払いながら10m以上も止まらずに木を切り倒して飛んで行った・・・

 前衛職のサポートで後ろから魔法を放つなんて出来る代物では無い、間違いなく・・・無い。

 〇ウォーターバリア、上の魔法群の余りの強さに恐れ戦いた私はこれに対して攻撃を加える根性は無かった、計測不能。

 〇ウォーターヒーリング、所謂喉の渇きを癒す美味しい水が出るだけの魔法、ガチで美味しい水だった、これで酒作ったらバカ売れしそうだった。

 〇ウォーターバースト、撃ち出した直後はウォーターボールと区別が付かない。

 皆まで言わずともその効果は洒落に成らず・・・もう何も言うまい。

 ----アクエリアス----

 同じく透き通った水のような外観の絶世の美女な精霊。

 性格はディープな為に基本的にはネガティブ。

 自信が無さそうで儚げに見える。

 ○アクア系(ウォーター系の上位)なので当然ながら呆れた性能だった、言葉にしたく無い。

 但し、アクアの時は、ヒーリングでは無くヒールになって居て、各種状態異常を澄んだ水で洗い流す回復魔法って事になって居た。 ちなみにHPも少し回復する。

 〇ダイダルウェーヴ、要するに大海嘯、怖くて試せなかった・・・恐らくはマップ兵器級だと思う。

 ○シー・トルネード、大渦を発生させる水中専用の魔法、と言うかこれに巻き込まれたら魔物も船もただでは済まないだろう。

 

 氷の精霊は、風の精霊と水の精霊が同時に召喚されて居る事と、あまり仲が良く無い風と水の精霊が共闘するようになる事、同じ敵に対して一定以上の怒りの感情を持った場合のみ、融合と言う形で出現。

 一度呼び出しに成功してしまえばその旨では無いのだけど。

 何でこんな面倒な事をしたかと言うと、この精霊はそれ程強力である、危険だと言う事を召還者に理解させる為だ。

 ----フリージア----

 私が勝手に考えた上位氷精霊、お花のような名前だが、雪の花と言われる現象の樹氷とか、雪の結晶をイメージした可愛らしい外見の精霊。

 人見知りな性格。

 〇アイスアロー、ヤバい、いきなり6本もの氷の矢が形成されて飛んで行く、当たるとその周囲が凍る。

 〇アイスランス、アローの上位、威力はアローの5倍程、一本でな・・・

 〇アイスジャベリン、アローの最上位、もはやこれは至近弾でもヤバいレベル。

 〇アイスロック、ヤバすぎる、文字通り氷で出来た大岩のような物体が出現、落ちた場所付近を根こそぎ凍らせる。

 ○フリーズ、容赦無くフリージアの向いて居る方向の左右20度程根こそぎを凍らせてしまう、動く物は一切動かなくなるのでフリーズと言う名が付いた凶悪な魔法。

 これが可愛らしい名前と可愛らしい外見の精霊から放たれるのは恐怖だ。

 ----シヴァ----

 某RPGで有名になった氷の精霊、実はインドの神様でも有ったりする。

 非常に端正な顔立ちで、見た目の印象は性格のきつそうな美女。

 性格は正にクールそのもの、クールビューティーを絵に描いたような精霊。

 〇スノートルネード、これって戦略魔法って奴ですか? こんなの食らったら都市一つ軽く滅ぶんじゃね? 完全にマップ兵器な感じ。

 ○ホワイトアウト、猛吹雪が吹き荒れ、数センチ先が見えなくなる。確実に広範囲エリアが一瞬で豪雪地・・・マップ兵器レベルだった。

 ○ダイヤモンドダスト、某RPGでお馴染みの魔法、絶対零度を誇る最強氷魔法、この魔法を目にしたが最後、一切が氷に包まれ、砕ける。

 シヴァはこの三つだけだけどハッキリ言ってこれを召還すると言う事は広範囲を一度に攻撃する時だけだろう、って言うかこんなの大規模スタンピードか戦争以外に使い道有るのだろうか。

 当然こんな危険なシヴァの魔法はヤバすぎるので召喚だけは出来るが試してない。

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 と、ここ迄作り上げた私は、誰を召喚士(精霊魔導士)にするか考えた。

 結果、ザインちゃんに白羽の矢が立ったのだ、流石と言うか、ザインちゃんはエルフらしくマナの扱いが上手く、弓を使う時に目にマナを集めて命中率を格段に上げたり、矢にマナを纏わせてある程度誘導させて居たのだ。

 マナを道具に付与すると言う事は放出が可能なのだろうと言う結論から、適当に考えた召喚呪文にマナを乗せて呼び出すと言った具合に出来そうなのだ。

 そしてマナの量も常人より大分多めで、これも高都合だったのだ。

 さて、あの子突然背後に居るからそこらに居ないかな・・・っと辺りを見回すけどこんな時に居ねーんだよな。

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