第61話 エリー将軍?
エリー将軍?
プロトタイプとして作った複座式の性能試験の結果を踏まえ、再計算を終えて、単座式の強化装甲の生産が始まった。
ジュドーさんはと言うと、余程気に入ったらしく、複座式のプロトタイプを乗り回して楽しそうだ。
現在、警備兵の中から5名が、ジュドーさんから操縦法を教わっている。
操縦法の教育は、複座式に二人で乗って教えて行くと言う方法、戦闘機と同じだよね。
ついでだから私は、強化装甲ラボの隣にもう一つ作って貰った新しいラボで稼働させる予定のマザーマシンを作って居る。
これ以上、何を作るのかって?
私の趣味で作ってるんだけど、アタックヘリだ、只のアタックヘリじゃ無いよ?
強化装甲を掴んで飛び上がり、戦場に投下できる機構付きだ。
輸送ヘリでは満足出来ない、只のアタックヘリでも納得出来ない私の我儘がテンコ盛りのヘリだ。
ちなみに、どんな形かわかりやすく説明すると、アパッチって言うアタックヘリの最高傑作と言われた機体が有るんだけど、そのアパッチにカニの様な足が生えてる、この足で強化装甲を掴んで運ぶのだ。
気持ち悪い形って言うな!
趣味で作ってるんだから文句言われる筋合いは無いよ!
とか相変わらず命令だけしたら勝手に作られて行くもんだから暇潰しに一人ボケ突込みしている。
「可愛い!ハイエルフ様!」
どぁっ!またザインだわ、何そのハイテンションは、驚いたでしょうが!
「あのね、ザインちゃん、びっくりするから突然気配も無しに現れるのやめてね・・・」
正直な話、ザインちゃんは気配を消す技術だけは私よりもず~~っと上だ。
ってか此処までのスキルの高さってある意味暗殺者向きだよね。
アサシンの称号でも持ってるんじゃ無いの?
隠しスキルになってて見れないだけでさ・・・
「で、何しに来たのかな?ザインちゃんは。」
「たまたま来たら、領主に、呼んできて欲しいと頼まれた、ハイエルフ様。」
「だからハイエルフ違うってば。」
ああそう言えば、ザインちゃんに私も用があったんだな、丁度良い時に来たとも言えるわ。
「判った、ありがとう。
セドリック伯の所には行って来るけど、そのままザインちゃんに用が有るからここで待っててね。」
「ん、待ってる、用、何だろう、ドキドキ。」
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「セドリックさーん、入るよ~。」
「ああ、どうぞ、ってか何で君はそんなに私に対してフランクな話し方なのだ。」
「ん~?別にいいじゃん?
私から見たらみぃ~ンな只の鼻垂れ小僧なんだし。
あんた辺りにはもうバレてるから転生者で実年齢735歳なんて今更隠しても仕方ないしね~。
むしろ私に敬語使わないで良いよって時点でご理解して頂けると幸いかな?」
「はぁ、敵わないな。
実はな、今日呼んだのは他でもない、エリー君にお願いがあってな。」
「断る。」
「まだ何も言って無いんだが。」
「だが断る。」
「少し聞いてからにしないかね?」
「いや聞くまでも無く碌でも無い事に決まってるから断る。」
「聞いて?」
「いや。」
「・・・・・・・・・・」
「ヤです。」
「何も言って無いけど。」
「考えてた、ヤです諦めましょう。」
「じつはね「いやです。」」
「そんな被せて迄断らんでも。」
「どうせ私に頼み事なんて、私のこの間の魔人と戦ってた強さを見込んで指揮官になって欲しいとかそんな程度でしょ、だから嫌です、断ります。」
「な、何故分かった・・・将軍として戦線に加わってくれと言いたかったんだ。」
「判らいでか、私を誰と思ってた訳?
宇宙戦争を陰で支えていたマッドサイエンティストにして医者で心理学の権威だった私にその位の事予測出来ないとでも思ってた? 甘いわよ~。」
あ、自分でマッドをウッカリ認めてしまった。
「やっぱりダメかね?」
「うん、ダメだね、私は誰にも縛られる気は毛頭ないよ。」
それに、今の新しいラボを作ってる合間に、暇潰しで色々やって、ちょっと素敵な実験してたんだけどそれが成功しちゃってね、これから世界は面白くなるよ。
他に用は有る?無ければラボに戻るけど。
第二ラボの所にザインを待たせてるんだ。」
「いや、ダメ元で誘おうと思って居たのだがやはり駄目だったか、でも出来ればお願いしたい。」
「判ったわよ、考えとくね。
んじゃ私は行くね、あ、一応もう一つ今のラボで作れるようになる物もかなりの戦力になる筈だから、きっとジュドーさんなら操作出来るし、人材だけ自分達で育ててね、もう暫くはラボの完成まで係るからしばらくは居るけどね。」
本当に残念そうなセドリックさんを見て居ると、最後まで手を貸してあげたくなっちゃうけど、私は縛られてあげられない。
・・・自分自身の為に。
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