第41話 全身義体2
全身義体2
「最後にもう一つ約束して欲しい事が有る。」
「まだあったのか、何だ?」
「それはね、君の奥さんだ、君の奥さんは、子供は既に十分居るから君が生殖機構を失うのは構わないと言ってくれた。
それでも彼女は君との夜の生活は失いたくないそうだ。
良いねぇ~愛されてて、だから私はちゃんと彼女を満足させてやれるような機能は付けてやる事にしたので、ちゃんと相手してやるようにね~、以上。」
「な、二人でそんな話してたのか・・・なんだか少し複雑な気はするが、そう言う事なら、任せてくれ。
俺もアイツには感謝してもし切れない程で、出来る限り要望には答えてやるつもりだよ。」
「うん、宜しい、夫婦円満が何よりだ、後、全身義体の注意事項は彼女にも伝えてある、なので夫婦でうまくやって欲しいね。」
「ああ、勿論だとも、言われるまでも無い事だ。」
「そうか、あんな物を付けたら浮気の原因になるんじゃ無いかと思ったのだが、杞憂だったようで何より。
ではカイエン殿、君の全身義体をお目にかけよう、恐らくは自分自身と対面するのは最初で最後になるだろうからね。」
そう言ってストレージから取り出した、カイエンそっくりに調整を済ませた全身義体。
「これが・・・本当に俺そっくりだ、腕、腕が付いてる、これが俺の新しい体か。」
「どうだい?気に入ったか?」
「ああ、最高じゃ無いか・・・ん?」
「ああ、そこは君のサイズは判らなかったので奥さんの希望で決めさせて貰ったよ。」
「ちょ、これは少々デカすぎやしないか?」
「何を言ってる、奥さんのアレからは子供の頭が通って出て来て居るんだぞ、それでも大きすぎる事は無い。
せいぜい彼女を楽しませてやってくれ給え。
あ、ちなみにそいつは収納が可能になって居るので安心してね~、戦闘中に邪魔になる事は無いよ。」
いたせりつくせりだろう?
カイエンは思った、この少女に見える娘は一体何者なのだろうと、だがそれは、考えれば考えるほど謎が深まるばかりであった。
「さぁ、それでは君の今の能力などを鑑定させて貰うよ、調整に必要なのでね。」
私はカイエンに鑑定を発動した。
--------------------------
Name:カイエン Lv.70
職業:勇者
HP 3500/3500(5800)vi MP 4310/4310mas SP 100%
防御力 250
体力 400
腕力 300
精神力 520
速力 180
命中力 320
固有スキル
・勇者覇気
・武器性能補正
・身体能力向上
・魔人キラー
保有スキル
・身体強化(LV.38)・盾技(Lv.80)・剣技(LV.98)・高速回復(Lv.40)
剣技
・ダブルスラッシュ ・スクエアーラッシュ ・アタックスタン ・ファストスラッシュ ・剣舞
称号
・勇者 ・魔王を亡ぼす者
状態異常
・左腕損傷 ・精神状態ネガティブ
-----------------------
おお、レベルたけぇじゃん。
ってか、レベル70でもHPやMPってこんな程度なん?
じゃあ私のあれは何なんだ???
桁がかなり違ってて草。
っつーか剣技98って、もしかするとLevelMaxって100なんかな?
剣の技も5個も持ってるよスゲェな。
しかし、これなら剣術の師匠出来るわな、誰にも負けんだろ、これは。
しかし、魔王を亡ぼす者ってすげぇ直接的な称号だな、この称号が無いと倒せないとかそう言うのあるんだろうか?
「ふむ、称号にある魔王を亡ぼす者ってのは?」
「ああ、俺も良くは知らないんだが、神の庇護が掛かって一種の神通力みたいなのが武器に付与される・・・とか言ってたかな?」
「ん?何だその他人事のようと言うか、人づてで聞いた風な言い回しは?」
「いや、信託を受けた時に、夢に出て来たおっさんに言われたんだ。」
おっさんて、やっぱあいつが神なのかっ!あのポンコツがっ!
「あぁはいはい、そういう、アレね。」
「ん?なんだ?お前の夢にも出て来たのか?まるで会った事のあるような口調だが?
もしそうなら俺以外にお前さんだけだな、初めて会った事に成る。」
「あ、そうなんだ、私はな、この際言ってしまうが、この世界の者では無い。
だからこんな全身義体なんて技術を持ってたりするのだ、本当の年齢も見た目通りじゃない。
で、この世界に放り出される時にその恐らくカイエンさんの会ったのと同一人物と思われるおっさんに会った。
多分同じと思う、だが私はその時の記憶が曖昧でな、良く覚えていない。
何かやって欲しいと頼まれた気はするが、覚えて居ないので好き勝手に生きる事にしたんだ。」
「成程、見た目通りの歳では無いかも知れないと思った俺の予想は当たってた訳だ。
そうか、お前さんも会ったのか、あの胡散臭い神に。」
「ぶ! やっぱ胡散臭いと思ったのか!
私もだ!
あんな胡散臭い神要らねーとか思ってたんだ。」
二人で大爆笑してしまった、笑い過ぎてわき腹が痛い。
じゃあ、問診も終わった事だし、質の良い笑いも堪能したし、義体の調整を始めよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます