私も車好きなので、筆者様の膨大な知識量に脱帽!さらには、作品を読むたびに、車の時代における自分の過去を振り返ってしまいます。そんなことができるなんて、めっちゃ素敵な作品だなぁ。本来無機物である車の記憶と思いを拾い上げ繋げていく。車離れって聞きますが、やっぱり車って乗るたびに自分の一部になったような感覚がして、だから気持ちも宿るのは、あながちなくは無い話なのかもしれませんね。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(313文字)
車をメインテーマに据えていて、独自性のある現代ファンタジー。車のお葬式屋さんなので、出てくる車達も現役引退した車が多い。くたびれて、塗装も焼けちゃって、ハンドル歪んでそうな車達を想像すると、何か雰囲気が見える。一台を大切に乗るような人にはグッと来ると思う。
何らかの形でその使命を全うしたクルマ達にまつわる数々のストーリーが、独特の世界観を構築しています。クルマの数だけ、物語がある。時には優しく、時には悲しい。また、登場するクルマのチョイスが僕にとっては絶妙と言いますか…バイオレット以外はほぼ全て、現役世代として見知ったクルマばかりでした。(笑)続きが気になる作品です、楽しみにしています。