~魔王はそのうち倒します!~ スローライフを異世界で

絶佳(ぜっか)

第1話 転生したけどスローライフ


 どこだここは!?


森の中で僕は目覚めた。そこに来た過程は分からない。


まあ、ありがちな転生を僕はしたわけだ。現世で身寄りもなかったし、ここで暮らしていこう。


 なんかゲームの初期装備みたいな身なりをしている。なんか安い布切れみたいな服装だった。たぶん手に握ってたこの木の枝は武器なんだろう。素手の方が強そうだ。まあ殴ったら痛いからこれ使うけどさ。


なんか不味そうなキノコがたくさん生えてるけど・・・食べれるかな?

「ヒカリダケ:食べると辺りがしばらく明るくなる」

なんか視界にメッセージウィンドウ出たんですけど!?


ゲーム系の世界だったか。まあキノコ拾っとこ。僕はキノコをポケットにしまった。キノコが無くなった。ポケットをもう一回触ったらメッセージウィンドウが現れた。そこにはキノコが表示されていた。なるほど、そういう感じね!

遠くになんかプルプルした何かが見えるんだけど、なんだろう?

僕は好奇心に駆られて走って行った。


そこにはプルプルの可愛い動くスライムがいた!

これぞ雑魚敵!

なんか倒すの可哀想なんですけど・・・

僕が躊躇っているとスライムは突進してきた!

「うはっっっっ!」

思ったより痛い、、、

倒そ。躊躇いが全くなくなった。僕はスライムをそこそこの勢いで叩いた。

「ベシャッッッッッ!」

なんか音気持ち悪いな、、、

まあいいや。スライムゼリー落としたけど拾うべきかな、なんか触りたくないんですけど、、、

うわっ、ベタベタするんですけど。当たり前か。

まあ、魔法系の飲み物作ったりするのに使うんだろうなあ。

お金は自動で手に入るみたい。ポケット触って道具袋のウィンドウ開いたら入ってた。2ゴールド。


そんな調子で一人でわあわあリアクションを取りながら歩いて行った。

途中で変な魔物から逃げたり、キノコでおなか壊したりとかいろいろしたけど、まあ割愛で。ダサいところ思い出したくないからさ。

しばらく歩くと森を抜けて村に着いた。


「アシノ村へようこそ!」と書いた看板が立っている。

宿屋とか武器屋とか道具屋が並んでいる。まあRPGには必須だよね。

なんとなく道行く老人に声をかけた。

「こんにちは!」

「おお、旅の方か。魔王を倒しに行くんでしょう?頑張ってくださいね」


 なんか魔王を倒すことになってるらしい、、、

 嫌だな・・・

 スライムでもそこそこ痛かったし、、、

 まあ、そのうち倒すよ!そのうちね!


僕は臆病勇者だった。

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