自称普通の幻想物語

智凪

プロローグ

ここはとある学校 1年C組の教室、1学期の最終日の放課後


「ねぇ霧灯むとうくんこのゲームやらないー?」



そういって軽い感じに声をかけてきたのは幼少時代からの幼馴染で毎回話しかけに来る女子で、名前は葉月凛はづきりん


「いややらないから、多分またクソゲーの類なんだろう?」


僕はそう言葉を返す、凛はいつもVRでクソゲーばかりをやっている、何が楽しいのやら僕には一切わかりもしない。


「いやいや今回は違うって!本当に!」

「そうそう今回は本当に珍しく凛姉さんが神ゲーを見つけてきたんだから」


そういいながら話に乗ってきたのは凛の弟の葉月隼はづきはやと、隼が言うなら本当にクソゲーじゃないんだろうな。


「一応確認を取るが、そのゲーム名はなんなんだ?」


調べて安全を保証しないと…《普通》の僕にはきついんだよなぁ、クソゲーってやつは。

「Fantastic experience「幻想のような体験を」だよ」

「はい了解」


Google先生は答えてくれるかな…っと、おお!


「公式サイトあるのか」

「そうだよ!もうβテストは終わって正式版販売だよ!」


ほうほう、それはすぐにでも楽しめるな……?


「ってそうじゃないか、隼が神ゲーっていうぐらいだから正式版の予約や直接的な購入はどうせ終わってるだろうに…」

「じゃじゃーん!そうなると思ってこちらソフトの交換チケットだよ!」


えぇ…自分自身のお金で買うものと思って覚悟決めてたんだが…


「霧灯さん受け取ってください、僕達のいつもの感謝の気持ちですので」


む…そうなのか…


「わかった、今回のこれは受け取る…がそれとこれとは話は別だ、俺はお前らに対して好きで構ってやってるんだよ、だからこういうのはこれ以降受け取らんからな」

「もう、強情だなぁ霧灯さんは」

「だよねー、素直になって受け取ってくれればいいのに!」


心情的にこういうのを受け取るのは辛いんだよなぁ…感謝の気持ちと言われても。


「ま、ならこのゲームを家に帰って早々にやるためにゲーム屋に寄って帰るか」

「じゃあ僕達は先に帰っておきますね、家に帰ったら連絡をくださいゲームについて教えますので」

「私も色々教えるよー!じゃあねー!霧灯くん」



そうして高校初めての学期は終わった、明日から夏休みだぁぁ!

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