第157話 邪魔者のYouTube
ゼロワールドの恐怖に、今頃世界中がビクついているはずっ!あはははッ!とはいえ、やり過ぎも禁物ってわけよね?
まったく、観測者アンキテラか……やっかいな存在だな。
できれば、そっちもなんとかしたいものだけれど……ネル・フィードも吹っ飛ばされるほどの高エネルギーって……そんな物をどうやって地球に放つっていうの?アンキテラのUFOは、そんな砲台を搭載してるってわけ?
……などと、今後のゼロワールドの敵となるアンキテラ。そしてそのアンキテラが送り込んでくる『力ある者』への対策などを考えていた時だった。
私のアンテナが1体の腐神が消滅したのを感じ取った。
『白雪が死んだ……』
『本当ですかっ? ゲロッ!』
『やはり、あやつでは倒せませんでしたか。なかなかやりますな……』
貴重な腐神を殺されてしまった。相手の実力が分からない。翌日に送り込んだ腐神『底無死』の契約者、ヘドロもやられてしまった。
実はそのヘドロには、『力ある者の始末』と『もう1つの命令』を下していた。それが
『黒宮家への襲撃』
と言っても、藤花を永遠の方舟の本部のシェルターに誘導する為に敢えて向かわせたのだ♡
永遠の方舟が、今に世界中の注目を浴びるんだよ……藤花。私はYouTubeを使って、世界に語りかけたんだ。
『永遠の方舟という新興宗教をご存知の方、いらっしゃいますか?』
『我々、ゼロワールドは永遠の方舟信者には手を出さない方針です』
さあっ!どう?藤花っ!ヤバくないっ?世界に終末が訪れようとしているのに永遠の方舟を信じている者だけは助かるんだよっ!ねぇっ、ヤバいよねぇ!?
『信者だ』と嘘をついても分かる様に、
報道天国ジャックの衝撃か、ゼロワールドのYouTubeの 再生回数は爆発的に増えていった。その時、
『牙皇子様、アンキテラの力ある者もYouTubeに動画あげてますよっ! ゲロゲロッ!』
『なんだとっ?』
『おおっ……こいつッ! 俺を蹴っ飛ばした奴だっ! 光速移動だと? おおっ! ジジイもいるのか……空飛んでますね。おおっ! 命の炎? 剣にしたり……うわっ……蛇にもっ?……へぇっ……緑の髪の女の子、軽トラ持ち上げてるっ! このぐらいは簡単なんですって、牙皇子様も見ます? ゲロゲロッ!』
『バカ……そんなもんを鵜呑みにするんじゃないよ、フロッグマン』
『ゲロゲロ?』
『どうせ世間の動揺を抑える為にわざわざ上げた映像だろう。力のすべてを晒すわけはない。参考程度にしときなよ』
『承知です。ゲロゲロッ!』
ブラック・ナイチンゲールとかいう5人組……それが私達の敵。特殊な能力や炎を操る。私と藤花の理想郷を作る邪魔はさせない。全員……殺すッ!
私は既に鎖鎖矢餽と協力して、腐神界にいる残りの6体の腐神とのコンタクトに成功していた。
人類に与えた3日間の猶予。その間に腐った、絶望した、野望に満ちた、契約者に相応しい人間を見つけだす。
『鎖鎖矢餽、頼んだよ』
『お安い御用です。ケケケッ!』
鎖鎖矢餽は、6体の腐神を従えて闇夜に溶けていった。
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