第13話 魔法少女vsアイズ
軽快なBGMが流れる。
「悪を撃ち抜く魔法少女!マジカル・エイム!」
赤い魔法少女が、高らかに宣言する。
「ちらりと見えるは正義の弾丸!マジカル・ピーク!」
緑の魔法少女も、高らかに宣言する。
「正義を覗く時、悪もまた正義に覗かれている!マジカル・サイト!」
青の魔法少女も、もちろん高らかに宣言した。
3人の魔法少女が兵器開発の噂を聞きつけ、やってきたのだ。
「この方達が私のターゲットですね?」
アイズはボスに確認する。
「あぁ、思いっきりやってくれ。」
ボスは答える。
「あなた達の思い通りにはさせない!」
そう言って、魔法少女達は身構えた。
ガトリングガンを構え、発射するアイズ。
魔法少女達もバリアを展開する。
こりゃあいいやと目を輝かせる博士を安全な所に連れて行く部下。
ボスは戦場の様子を全て観察していた。
モクモクと立ち込める砂煙の中、アイズの動きは素早かった。
魔法少女達の背後をとり、捕まえようとするアイズ。そこにあわせて、自身の技をぶつける魔法少女。
赤い閃光が光った。
光が静まり返り、お互いがお互いを見る。
魔法少女もアイズも戦闘における実力は互角であった。
「私もあまり時間をかけたくはありません。そろそろ1人くらいは捕まえましょう。」
そう言って、アイズはガトリングを構える。
「私達は、絶対に負けないんだから。」
魔法少女達も詠唱を開始する。
最大火力の弾丸が飛び交い、激突する。
煙があたりを覆い隠し、音が止んだ。
恐らくこれで決着がついてしまっただろうとボスは感じた。
すぐに煙が晴れると、そこには息も絶え絶えの魔法少女とガトリングガンを床に落としたアイズの姿があった。
この戦闘は、魔法少女の勝利であった。
「申し訳ありません。私は敗北してしまいました。」
アイズは言う。その声はどことなく悲しそうだった。
「正義は必ず勝つんだから!」
赤い魔法少女は満身創痍でも高らかに叫ぶ。
「アイズ、君は充分に役目を果たしてくれたんだ。だから、そんな事を言うな。」
魔法少女とアイズを囲む煙の中に現れたのは、ボスであった。
「さて、魔法少女の諸君。今までの君達との戦闘を捌いてきたのは部下と誰だったのか、もう忘れてしまったのかな?」
ボスは首を鳴らす。
くっ...と奥歯を噛み締める魔法少女達。
ボスはお構いなしに魔法少女達に突っ込んでいった。
常人では出せないスピードで、魔法少女の前から姿を消すボス。
次にボスが現れた時、青の魔法少女はすでにボスに拘束されていた。
「対象の拘束が上達するコツを知っているか?それはね、拘束されることなんだよ。」
青の魔法少女に、赤と緑の魔法少女の視線が向く。
「あなた達だけでも早く逃げなさい!」
青の魔法少女は叫んだ。
「青を置いて逃げられるわけないよ!」
緑の魔法少女は言う。
「そうよ!あとあなた達ちょっと距離が近すぎるわよ!」
赤の魔法少女も叫んだ。
あなた達?言い方に少し違和感を感じたが、青の魔法少女はひどく感銘を受けていた。
仲間を思いやる心、それが私達魔法少女の強さなのだと改めて再確認できた青の魔法少女は
「こんなやつに負けるんじゃないわよ!」
と檄を飛ばした。
「人数的に不利になってもまだ諦めないのか。」
ボスは悪役らしいセリフと共に、魔法少女に突撃していく。
赤の魔法少女が閃光を放つ。
ボスは、その閃光の弾を軽々と避け、高く上空に飛び立つ。
空中で緑の魔法少女に狙いを定めると、彼は人間離れした身のこなしで、加速して行く。
しかし、緑の魔法少女も冷静に魔法で緑の鎖を生成し、ボスに解き放つ。
ボスの腕に絡まる緑の鎖。しかし、ボスは笑顔を浮かべていた。
捕らえた!と思ったのも束の間、緑の魔法少女はボスの元に手繰り寄せられていた。
ボスの左腕でがっしりと拘束される緑の魔法少女。彼女は捕まった後のことを考えていた。
恐らく私はこの人に食べられるのであろう。その時は、あそこにいた女の子と博士にも提供されるのだろうか?そして、ロボットに食われるとしたらどんな気分なのだろうか?
あわわわと自身の思考に飲み込まれる緑の魔法少女に赤の魔法少女は叫んだ。
「2人とも必ず助けるから!あと、やっぱりあなた達の距離は近すぎるわ!!」
ようやく向かい合ったボスと赤の魔法少女。
2人の闘いが始まる。
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