失踪と彼女

バブみ道日丿宮組

お題:地獄微笑み 制限時間:15分

失踪と彼女

 世間体的には、彼女が笑ってないのを見たことがない人のが多い。

 いつもにこにこで細い目。声も明るい。

 出るところもしっかりでて、色気がある。

 そして誰からも頼られて、人気者。

 そんな彼女がいったいどうして、僕の家に毎日通うのか。

「朝ごはんできたよ」

 ご飯を作りに来てくれる彼女は、通い妻。

 中学校からの付き合いだ。

「ハムエッグパンにしてみたんだけど、どうかな?」

 そんな彼女は僕には笑顔以外も見せてくれる。

 今は相手の表情を伺ってる困った顔。

「美味しいよ」

「良かった」

 僕の家には家族がいない。

 親は中学校の頃に家を出て、それっきり帰ってこない。

 捜索願はでてるけれど、5年間なにも進捗がこない。

 親戚はどこかで死んでるんじゃないかって話すけれど、どうなのだろうか。

 自殺をほのめかすような手紙とかはいまだに見つかってない。

 もっとも3階建ての家を完全に調べられてるかといえば、そうでもない。

 タンスの奥の方であったり、鍵がかかった金庫などは手つかず。調べられるところしか見てない。

「今日も一緒にお昼食べようね」

 今となったら、親に感謝すべきかもしれない。

 こうやって彼女との日常を送れるようになったのは、間違いなく親の行方不明があってからだ。

 小学校の頃から疎遠になってた僕らは、親が失踪した中学校のときに急接近した。

 告白は彼女からで、とても恥ずかしそうにしたのをまだまぶたの裏に覚えてる。

 僕だけの彼女であり、彼女のための僕でもある。

「どうかな?」

 彼女は台所から顔を出すと、スカートを捲る。

 リボンがついたピンク色のパンツが顕になった。陰部部分がふっくらとしてるのも確認できる。

「かわいい? それともきれい?」

「えっちかな」

 二人笑いあう。これもまた日常だ。

「今晩も楽しみにしててね。面白いえっちの仕方知ったんだ」

 彼女と僕が結ばれたのは、付き合い始めて3日後。

 笑った彼女に襲われたのが始まり。

 それ以来、ほぼ毎日のようにまぐわってる。

 主権を握ることはあまりない。

 いつだって、笑顔の彼女が手取り足取りやってくる。

 とても幸せだった。

 大学生になったら、彼女はうちに引っ越してくるらしい。

 楽しみ。

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失踪と彼女 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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