第20話

〈伊織視点〉







ユウ「・・・デートでもして帰るか?」






「えっ??デート??」





ユウ「・・普通、お見合いで知り合った後は

  そうゆう事をしながら

  お互いを知っていくもんだろうが…」





「・・・・・・・・」






出会いは印象悪いし、先に身体の関係もあるし…

まさか「デートしましょう」なんて言うような

キャラにも見えなかったから驚いた…






ユウ「俺もソッチの事…

  伊織の事あんま知らねーし…」





「・・・どのへんまで知ってるの?」

 




ユウ「・・・アクション系の映画が好きなのと

  服装は…わりかしパンツ系が多いのとか…」





「・・・今日は…スカートなんだけど…」





ユウ「俺が見かける時はカジュアルだったぞ?笑」





「・・・・他は?」





ユウ「・・・刺身が好きだけどめったに買わない」





「そんな所見られてるの!?」





ユウ「あとは…いっつも悩んでるな?

  DVDでもスーパーでも、歯磨き粉でもな…笑」





「・・・・・・最悪…」






生活圏内が一緒とは言ってたけど…

恥ずかしい所ばっかり見られていて

やっぱりなかった事にしようかと思った…






ユウ「・・・責任感が強くて…

  後輩から慕われてる所は最近知った…」





「・・・・会社の事…聞いたんだ…」





ユウ「・・・心配してたぞ?」





頬杖をついてコッチを見ている顔は

さっきまでの生意気な年下君とは違って

なんとなく…〝男の人〟に見える…






ユウ「・・・部屋・・どうする?」





「部屋?」





ユウ「俺の家は1LDKだから狭くもないが

  クローゼットはそんなに広くもないから

  多分入らないだろうし…ソッチは?」





「うちも1LDKだよ…」





ユウ「早めに部屋見に行くか?」





「・・・・・・・・・」





ユウ「・・・とりあえずウチに住むか?」






本当に私と結婚前提で

付き合う気なんだと思って

少しだけ…怖くなった…




( スムーズに行きすぎて…怖い… )





普通に考えて優君の会社や年収…

そして彼の見た目は…

とても女性には不自由しそうにない…

そんな人がなんで私と…




彼は私にお伽噺みたいな未来ではないと

言っていたけど、側から見たら

この中須 優君は何処からみても王子様だろう…





「・・・・うん…」





少し怖くなった私は…保険をかけた…

だって、私にお伽噺は似合わないし…

急に夢から醒めたら怖い…




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