第一部

部活結成編

■05 部活を作ろう

「部活……ですか、いったい何をする部活なんですか?」


当然の疑問を愛花は返してくる。


「今考えているのは学生のお悩みを募って、その問題を解決する部活ってのはどうだろう?」


俺は不意に思いついた活動内容を皆に伝える。


「おぉ! 生徒のお悩み解決をする部活なんて聞いた事がないが、面白そうじゃないか! 私も参加してみたいものだ」


樹は結構ノリ気なようだ。

ので悩みを抱える人にとっては非常にありがたい存在になるだろう。




「……部活を作るって簡単に言うけど、そんなにすぐ作れるものじゃないんだけど?」


豊崎は呆れた顔をしながら質問をしてくる。


「……確かに、でもそれは事前に調査済みだ」


俺はポケットからスマホを取り出し、部活を作る際の条件などを控えたメモ帳アプリを確認する。


「えっと、確か部活動のメンバーを集めたり部室の確保や、顧問の先生なども決める必要がある、らしい。……でもできない事じゃないと思うんだ」


俺は事前に調べていた部活を作る条件などを見ながら話す。


「仮に部室も顧問も見つかったとしても、活動自体が結構曖昧だし生徒会がそんな部活を許可してくれるかしらね」


腕も組みながら考え込む豊崎。


「そこなんだよな。生徒会には一度俺から顔を出していろいろ確認する必要もあるし、放課後にでも行ってみるよ」


生徒会って結構お堅いイメージなのだが、実際はどうなのだろう。




「……あの、和樹さんの考えてる部活、とても楽しそうでいいのですが、ここにいる皆さんも参加されるんですか?」


梓ちゃんが恐る恐る質問をしてくる。


「あ、ごめん勝手に話を進めちゃって。……ってことで、これから部活を新しく作ってそこでいろいろ楽しい事をして過ごしたいな~、って考えているんだけど……どうかな皆?」


主に、というのが本心だ。




「私はもちろん参加させて頂きたい、楽しそうだ!」


樹は眼鏡をクイッとしながら答える。


「はい、兄さんと一緒の部活なんてとても楽しそうです!」


愛花もニコっと笑顔になりながら答える。


「なんか楽しそうだし、私も参加で!」


アリサちゃんも快く参加表明をしてくれた。


「えと、……私も愛花ちゃんと一緒に参加してみたいです!」


梓ちゃんも恐る恐る参加すると言ってくれた。




すると、皆の視線が豊崎に向かう。


「え……私? ……ま、まぁ私もどうせ暇だし、部活メンバーに参加しておくってことでいいわ」


視線の圧力に押された豊崎も参加表明をしてくれた。


「ありがとうみんな! よし、ひとまずメンバーは問題ないとして、次の問題は活動する部室だよな、どうしよう……」


俺が考え込んでいると樹が良いアイデアを思いつく。


「他の部活で廃部などになったものがあれば、部室などが開いてると思うぞ。後で高橋先生に相談してみてはどうだろう?」


「……確かに、開いている部室があれば使わせてもらえるかもしれないな。放課後、生徒会に行くついでに確認してみよう」


部活の顧問かぁ……誰かいい人いないかな。




そんな話をしていると、お昼休みの終了間近のチャイムが鳴り響く。


「……もうこんな時間か。ひとまず部室に関しては俺が放課後確認しておくから、週明けの月曜日にまた詳細は連絡するよ」


俺はひとまずスマホのNINEアプリで部活メンバーグループを作成して、みんなを参加させておいた。


「これで何かあったらスマホのNINEグループから報告させてもらうね」


俺達は1年生組と別れ、自分たちの教室へと戻ることにした。




程なくして教室に戻った俺たちは午後の授業の準備を開始するのであった。

……そして程よい眠りと共に気が付いたら放課後になっていた。


――――――――――――――――

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