ラジオログ(2)

 はい、準永遠ラジオ第二回です。なんと本日はスタジオの外に飛び出し、海の上の特設ステージからお送りします。

 まあ、特設も何も、前回スタジオが消滅してしまったから止む無くなんですけど……いえ、そんな事情は置いておきましょう。

 何はともあれ、ゲストのご紹介に移ります。今回のゲストはオムニバス六さんです。六さんよろしくお願いします。

 六さんは「週末に甘いものを食べるために生きてる」を信条にされているとのことで、ご自身もお菓子作りがお得意なんですよね。本日も自作のケーキをお持ちいただいて…あれ? 我々の目の前にはケーキスタンドはあるのですが、その上はまだ空っぽですね。

 六さん、お菓子はどこでしょう? えっもう皿に乗っている? 横から見ると見えない? 真上から見る…。

 あーっなるほど。たしかに観測できました。これは極限まで厚みをなくし、二次元化したケーキなんですね。

 しかも文字の形をしている。つまり、人間がケーキを食べるときの「おいしい」という感覚は結局のところ脳で処理された情報に過ぎない。六さんはそれを踏まえて、ケーキという概念を文字情報に変換し、小説として再構成したんですね。斬新な発想です。この論理を応用すれば世界の食糧危機も一気に解決できるのではないでしょうか。

 ケーキでもあり小説でもある。六さんのこの偉大な発明品、ショート・ショート・ケーキはウェブでも公開されています。番組ホームページにてリンクをご紹介していますので、ぜひ皆さんご覧ください。

 ところで六さん。今われわれが居る特設ステージは、北緯28度・西経66度、いわゆるバミューダトライアングルの真っ只中で、母船からはぐれて絶賛遭難中。このラジオは救難信号を兼ねての発信となるわけですが。さて、新時代のお菓子は、この絶望的状況も救済してくれるでしょうか。


「終末にも甘いものを食べるために生きてる」。


 なるほど。おあとがよろしいようで。





~準永遠ラジオ・完~

(2022.9.26 収録)






―――――

フォロワーさんとラジオをする、という体でした。実在のフォロワーさんとは一切関係ありません。

関係はありませんが六さんの小説ページは https://kakuyomu.jp/works/1177354054886470363 です。

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