第9話[隣の家のガキ]
ある日、母から隣に住む子供の話しを聞かされた。
俺より一つ年上で女の子らしい。
特段興味が無かった俺は右手の甲にある勇者の紋章を眺めながら適当な返事をしていた。
「それでね、今日遊びに来るらしいの」
「タッティーナ、仲良くしてあげてね」
仕方ねぇな、他ならぬ母上様の頼みだ。
精神年齢がお兄さんのこの俺がガキの面倒を見てやんよ。
などと思いながら母に返事をする。
「うん、分かったよママ」
さーて、何して遊んでやろうかな。
鬼ごっこか?
隠れん坊か?
そんな事を考えていると、玄関のドアがノックされた。
「あら、早速来たみたいね」
そう言うと母はガキを出迎えに玄関へと向かった。
俺も母の後を追う。
一体どんなガキだ?
女って言っても初めが肝心だかんな。
ガキとはいえ、一つ上。
直ぐにお姉さんぶる筈だ。
ここは一つ、誰が上かハッキリと分からせてやらないとな。
「タッティーナ、この子が隣の家の女の子よ」
「はじめまして」
「ホンダ・セツコです」
俺はその場で気絶した。
第9話 完
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます