ユメ。

夢をみた。

遠い昔の夢を、みた。


まだ幸せだったあのころ。

何も苦労がなかったあのころ。


私はどこに行き、どこに辿り着くのだろう。

そんなことばかり考えていたころの夢。


夢をみた。

真っ白で、真っ黒の夢をみた。


見える景色は白いのに、頭の中が黒く塗りつぶされていく。

チグハグな感覚の中、私はうずくまった。


私は、私であるはずなのに。

私ではない誰かに侵食されているみたいだ。


夢をみた。

現実に近い、すぐそこの夢をみた。


相変わらず、私はチグハグのままだ。

チグハグのまま、その景色をみていた。


人の賑わう音、車の走行音、お店から流れる音。

耳障りな音で、どこか心地よい音でもあった。


夢をみた。

最後のサイゴの、夢をみた。


私はどこからきて、誰だったろう。

最初に戻ってきているような気がする。


私は私であって、私ではない私がみせた夢。

近い将来、私が歩む道。


走馬灯のような夢。


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