ユメ。
夢をみた。
遠い昔の夢を、みた。
まだ幸せだったあのころ。
何も苦労がなかったあのころ。
私はどこに行き、どこに辿り着くのだろう。
そんなことばかり考えていたころの夢。
夢をみた。
真っ白で、真っ黒の夢をみた。
見える景色は白いのに、頭の中が黒く塗りつぶされていく。
チグハグな感覚の中、私はうずくまった。
私は、私であるはずなのに。
私ではない誰かに侵食されているみたいだ。
夢をみた。
現実に近い、すぐそこの夢をみた。
相変わらず、私はチグハグのままだ。
チグハグのまま、その景色をみていた。
人の賑わう音、車の走行音、お店から流れる音。
耳障りな音で、どこか心地よい音でもあった。
夢をみた。
最後のサイゴの、夢をみた。
私はどこからきて、誰だったろう。
最初に戻ってきているような気がする。
私は私であって、私ではない私がみせた夢。
近い将来、私が歩む道。
走馬灯のような夢。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます