第4話 異世界1日目

瞬く間に俺はルトロアの世界にいた。だだっ広い平原の上で呆けているとリーファが力使えないのに角の生えた兎に近づいて返り討ちにされていたのでその間に

《鑑定》を使う。

ホーンラビットという初級の魔獣で初心者だろうと負けることはまずないくらいに弱いらしいそれに負ける神ってなんなんだろうな。

角、毛皮、肉は安いが売れるらしいので剥ぎ取るとしよう。《影魔法》の初歩中の初歩である《影斬えいざん》を使う。

ホーンラビットの影が刃のように変形し影の主を斬りつけた。

解体かいたい》魔法を使って捌いたら空間収納にとりあえず放り込んでおいた。

残念ながら相手とのレベル差が開きすぎていたのでレベルは上がらなかった。そんなことより平原から見て森と逆方向に大きめの街があったので早速そこに向かう。


――《身体強化》


速攻で街に向かう。とその前に異世界での常識とかは大丈夫だろうか?と考えていたらなんか便利そうなスキル見つけた。なんでも知ることができる代わりに魔力消費が他と一線を画すほどでかいらしい便利なことに変わりはないけどな。


――《叡智之書アカシックブック》!


酷い倦怠感と不快感に見舞われ吐き気が催すほどきつかった。そこに遅れてリーファが息を切らしながらやってきた


「はぁ、はぁ、あれ?朔夜どうしたの?もしかして魔力切れでも起こしたの?ちょっともう走れない」


こんだけの距離でへばるとかどんだけ体力ないんだよと思いながら必死の思いで《空間収納》の中から支給されたアイテムの魔力回復薬を飲みほした。


回復したのでリーファを帰還させる。《叡智之書アカシックブック》によるとこの先にある町は『ミロベア』といい人口約120万人の王都を囲うように建てられた第6都市でログリズ伯爵の領地の中の一つで商人が集まり経済上かなり発展していて奴隷取引が裏で行われているものの治安が特別悪いわけではなく冒険者になることを夢見てここにくる若者も多くて初心者向けの施設なども多い。

周りには強い魔物がいなく付近にある森には資材が多くあり採取クエストも多く初心者でも簡単に稼げるようになってる。ダンジョンが複数存在し交通の手段も多種多様にあり素人から玄人まで集まる都市である。

大手ギルドのギルドハウスがある点でも入団目的の初心者が集まる理由となっている。

等こと細やかに記されていた確かに魔力消費が多いのも納得できる。

そんなことをしていたら都市の正門に着いた。衛兵が待機してて鑑定士が怪しい人物がいないか確認している。

特に入場料のようなものはなく案外スムーズに入ることができたので真っ先にギルドへ向かう思っていた以上の大きさに知り屈みした。

ギルドの登録料は場所によって変わるがここは1500フィール(1フィール=1円)という安さでレベルが5以上且つ15歳以上ではないと登録できないがレベルは余裕で超えていたしお金ある程度支給されていたので早速登録手続きをしようとしたが酒場と併合しているので予想以上に混み合っていて手続き完了までに一時間近くかかった。何はともあれ晴れてギルド登録して冒険者になれたので冒険者ライセンスをもらった。

ちなみにランクはS~Gまであり一定の条件を満たすとランクアップする仕組みになっている他にもランクが上がると受けられるクエストが増えるなどの効果がある。

ついでに複数のクエストを受注しておいた。早速ホーンラビットを狩りにいき道中鑑定を使いながら薬草をあつめたのでサクッと終わった。ギルドに戻ると何やら揉めている。

酔っ払ったおっさんが俺と同じぐらいの身長で神々しい武器を持つフードの少年?に絡んでいて少年は後ろで震えている女性を守るように立っている。


「おいてめえ邪魔すんのか?それがお前のぶつか?いいもん持ってんじゃねぇかその女と剣を置いていったら怪我しないで済むぞ」

「尻尾巻いて逃げるのはお前の方だろ失せろ」

「おういいぞやっちまえー」


周りからヤジが飛んでいる。

漫画みたいな展開になっていた。多分後ろで震えている女の子に手を出そうとしたおっさんに少年が立ち向かっていったんだろう。なんか少年の声聞いたことがある気がするんだよな。


その時少年がマントを脱ぎ去った時思わず叫んでしまっていた。


「えええええええええ?」

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