親友 #12
凛「冗談!信じると思わなくて!ごめんごめん!」
りょう「はぁ...心愛困ってんだろ...凛が買いたいもんあるからってそれ付き合ってカフェで話しただけだよ。それにカフェで話すなり心愛傷つけるなとか怒鳴り出して大変だったんだよ...」
心愛「ど、怒鳴る!?」
凛「だって〜!大切な友達だもん!先輩達より近くいるのに好きって宣言だけして守れずに何してんの!って怒っただけだよ!」
凛がそこまで私のことを思ってくれていることを知って嬉しさから自然と涙が溢れてきた。今までここまでしてくれる人も思ってくれる人もいなかったから私にとって凛がどれほど大切な存在か改めて実感した。
凛「ちょ、なんで泣いてるの!?心愛!?」
心愛「だ、だって...凛がここまで優しくしてくれて...嬉しくて...うぅ...(泣)」
りょう「まあこいつ、うるさくて厚かましくて、怒ったら怖くて、馬鹿だけど友達とかはほんとに大事にするからな。良い友達持ったね心愛。」
凛「ちょっと!それもうほとんど悪口!」
心愛「ふっ...ははっ笑 ありがとうねほんとに。」
2人の会話に思わず笑いが込み上げた。それと同時に本当に仲が良くてお似合いだと思うこの2人が何で恋愛に発展しないのか不思議に思えた。
心愛「それとね、凛?前に話した夏休みの勉強会まだ有効?」
りょう「勉強会?何の話?」
凛「もちろん!!!りょうはいいから!2人の話!」
りょう「お、おう...」
心愛「よかったら放課後2人で話したい!部活は休むから。凛は大丈夫?」
凛「うん!大丈夫だよ!」
急いで携帯を取り出し、部活のグループトークに〔友達と過ごしたいので休みます。〕と伝えた。我ながらわがままな口実すぎると思ってしまった。
けれどれん先輩は、〔夏休み前で皆浮かれているし裏生徒会は今動くことないから少しの間部活を休みにする〕と伝えてくれた。
そういえば今日は先輩たちが昼休みに来なかったことに違和感を覚えた。
あっという間に放課後になり、放課後に友達と遊ぶっていう当たり前にあることだけど私にとっては新鮮な時間に気持ちを弾ませながら凛の元にすぐに向かって2人で教室を出た。
凛「そんなに楽しみだった!?笑」
心愛「うん!青春ドラマみたいで!」
凛「なにそれ〜笑 あ、そういえば昨日りょうと行ったカフェで心愛が好きそうなケーキ買ってるけどそれ食べるっ?」
心愛「え!いいの!?食べたい!!」
凛「そうとなればうちで決まり!」
私の手を引いて足早に女子寮の自分の部屋に向かう凜。好きなりょう君といながらも私のためにケーキを買ってくれたのが嬉しくて仕方なかった。
--------------女子寮---------------
心愛「おじゃましまーす...ってこれほんとに同じ間取り!?」
凛「そのはずだけど...なんで??」
心愛「私の部屋まだダンボールだらけでさ...すっごく広く感じる...」
寮に入ってかられん先輩の部屋に泊まったり、疲れてすぐに寝ちゃって気がつくと私の部屋は散乱したままだった。シンプルだけど女の子らしい雰囲気が漂った凛の部屋に圧倒されてしまっていた。
凛はキッチンで冷蔵庫からケーキを取り、コーヒーを用意してくれていた。
凛「そっか、れん先輩の部屋にいたんだもんねっ?もしかして相談ってもう襲われちゃったとか〜?笑」
ニヤニヤしながら、お皿に盛ったケーキと可愛らしいカップに入ったコーヒーをもって、リビングに座っている私の横に腰をかける凛。
心愛「そ、それが...その...本当にれん先輩とシちゃって...」
凛「!?まって本当にそうと思ってなかった、詳しく聞かせて?」
それからあの後、りく先輩と出かけたこと。先生のやっているお店でご飯を食べている時にれん先輩が来たこと。その後のれん先輩の部屋での事、全てを凛に話した。
凛「ま、まってね...頭が混乱しすぎて...あの担任はれん先輩達と仲良くて? りく先輩とは一緒にお風呂!? れん先輩とは最後までシちゃって?....ってなにそれ...!超羨ましい!!」
心愛「ええ!?」
思っていた反応とは違う反応に思わずびっくりしてしまった。深刻に受け止められるよりはこうやって話していてくれた方が気楽なのは凛が友達として本当に相性がいいからだと思う。
凛「てか心愛すっごく純粋そうだからびっくりしちゃった!初めてじゃなかったの!?」
心愛「一応元彼はいたけど、あんな風に力入んなくなったりしたのは初めてだった...」
凛「さすが先輩だねっ。年上だけあって経験あるのかなあ...それでそれで?夏休みの課題する勉強会はどっち呼ぶの?」
心愛「それで悩んでるんだよね...」
(経験...真面目そうだし遊んできたようには見えないけど確かに慣れてたもんな...)
凛「ん〜私が心愛の立場だったられん先輩かな?それにりく先輩留年してんでしょ?わかんないとこあった時れん先輩ならすぐに答えれそうだし!」
凛の言ってることは間違いない。夏休み明けのテストもあるしれん先輩がいた方が安心するとは思っていたけど正直私を守ってくれたりく先輩には申し訳なさがあった。
凛「どうせりく先輩に申し訳ないとか考えてんでしょ?自分の部屋に戻ったら1人で考えて悩みそうだし...そうだ!今れん先輩に勉強会できるか聞いてみようよ!」
心愛「今!?たしかに1人になったら考えちゃいそうだけど...」
凛「先輩2人とも呼ぶよりかはいいでしょっ?ほらほら!」
私のバックから携帯を取り出す凛。
私に今すぐと言わんばかりの目で携帯を渡してきたて、断れるはずもなく受け取り、れん先輩とのトークを開いた。
-------れん先輩とのトーク画面-------
心愛〔れん先輩!もし良かったらなんですけど凛とりょう君と夏休みに課題とか...勉強会しませんか...?〕
れん先輩〔全然いいよ?心愛からそうやって誘ってくれて嬉しい。昨日のことあったから避けられてるかと思った。〕
心愛〔全然避けてなんかないです!日付が決まり次第また伝えます!〕
れん先輩〔うん。楽しみに待ってる。またいつでも部屋においで?〕
心愛〔空いてる日があったら...〕
れん先輩〔うん。いつでも大丈夫だよ。〕
-----------------------------
思っていたよりも柔らかいれん先輩の言葉にびっくりしてしまった。りょう君もいるのにまさかこの話に乗ってくれるとも思わなかった。
凛「ん?なになに〜?顔赤くなってるけどどうだって!?」
言葉で言うのも恥ずかしくれん先輩とのトーク画面を凛にみせた。
凛「え!? これほんとにいつも堅苦しい感じの生徒会長だよね!?」
心愛「それが普段はそんな感じじゃなくて...」
凛「でもでもっ、ほんとに心愛のこと好きなんだね!安心した!」
心愛「それってどういう!?」
凛「いや、心愛可愛いからさ、ただ遊びたいとかそんな軽はずみな行動とかだったらと思って少し心配したんだよねっ。」
心愛「そんな心配...ほんと凛大好き〜!」
凛「いきなりどうしたどうしたっ//」
心愛「でもね、りく先輩もれん先輩も本音を言ってくれるしだからこそ悩んじゃって、凛に相談してほんとに良かったなって。」
凛「心愛は幸せもんだね〜!私なんてりょうが何考えてるかたまに分かんないもんっ!」
心愛「その...りょう君とはどうなの...?」
凛「そんな遠慮しないで笑 向こうは友達としか思ってないんじゃないかな?まあうちはずっと追いかけるけど!」
心愛「なんか私がいるから余計関係壊しちゃったよね...ごめんね」
凛「なんでそんなこと言うの!逆に話せる友達増えて嬉しいのに!心愛はそんなこと考えないの!」
心愛「いやいや!だって...」
その後も凛とケーキを食べながらお互い遠慮をしない約束を交わしたり、学校での話、勉強の話、今までの友達の話をして親友らしい会話に私も楽しくなり、あっという間に時間が過ぎていった。
凛「うわあ!もうこんな時間だ!心愛も部屋戻らないとだよね!?」
心愛「ほんとだ!戻ろうかな!今日はケーキありがとうね。すごく美味しかった!」
凛「次は別のケーキ食べにお店の方行こうね。勉強会の日程組みたいから4人のトークグループ作っとく!れん先輩招待しといて〜!」
心愛「ありがとう!ケーキ楽しみにしてる!じゃあまた明日!」
凛の部屋を出て自分の部屋に戻ると、2日間れん先輩の部屋にいたからか、少しひとりが寂しく感じた。ベッドに入り、目を瞑っているといつの間にか眠ってしまいあっという間に朝を迎えていた。
起きると登校時間をとっくに過ぎていた。走って学校に向かい、昼休み前の授業中の教室に急いで駆け込んだ。
--------------教室---------------
心愛「はぁ...はぁ...す、すいません!遅れました!」
先生「まあ転校してきてすぐだし慣れてないんだろ。席に座って。あ、でも居残りな?」
心愛「わ、分かりました...」
優しい担任の先生が担当の教科の時でよかった。今まで寮じゃなかったしお母さんに起こしてもらっていたからついアラームをかけ忘れてしまっていた。疲れもあって遅刻したのは仕方ないけど居残りは面倒だなって思ってしまったけど自分がしてしまったことだったから頷くことしかできなかった。
----------昼休み-----------
遅刻したことからすぐに昼休みになり、当たり前に凛とりょう君が私の席に机をくっつけて3人で過ごすようになっていた。
凛「昨日遅くなったからでしょ!?ごめん!」
りょう「そんな遅くまで話してたのかよ、居残り頑張れよ心愛」
心愛「凛は悪くないし!アラームかけ忘れただけだよ...ありがとうねりょう君...」
ガラガラッ
話しているといきなり教室のドアが勢いよく空く音がした。
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