最弱で怠惰な魔王の勘違い英雄譚〜元祖帰りは悪ですか?

@keiji1297

プロローグ 未来の魔王

「魔王陛下のご入場でございます。」


この国の宰相であるヴァンパイアの男、

ループが告げた言葉により、謁見の間に集った多種多様な種族の長は改めて身なりを整え、静かに待つ姿勢を見せた。


とん...とん...とん...ふわぁぁ...とんとん


魔王陛下が入場した瞬間、謁見の間に集う

多種多様な種族の長は理解した。


濃密な魔力、脳に駆け巡る快感、世界から隔絶された超越者との対面により生まれた歓喜


果てしない...ああ...この方こそが...


ああ...この方こそが魔王陛下だ...

我々はこの方に仕える為に今まで生きていたのか...

格が違う...伝統?血筋?貴族?

そんなもんどーでもいい...

この方の力になれるならば...


魔王陛下が玉座に座る。


自然と、何の躊躇いもなく、膝を地面につけ、右腕の拳を左腕の掌で受け止め、頭を下げて、多種多様な種族の長は全く同じタイミングで口にしたのだ。


「魔王陛下に全てを捧げます。」

「魔王陛下の意のままに。」


そして魔王が一言。


「捧げなくていいから。笑」



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魔王の一言を聞き、頬が緩むのを必死に抑えながら、宰相ループは思った。


謁見の間では、威厳を出す為に、

フランクに接っするなと言ったのに...

まあアルス様らしいか....笑


それに、謁見の間で欠伸をしながら歩くのは

歴代魔王陛下では初めてでは!?



ループも負けず劣らず愉快な男である。笑


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魔王陛下、アルス・レイジーハートは玉座に座り、考えていた。


ど..どうして..俺が魔王になってるんだよおおお...






____________________


次回から10年前のアルス・レイジーハートの話から始まります。

初回は、いわば最終回に近い回となっております。

面白いな、と感じたらいいね、コメントお願いします。

一章完結次第、今後続けるか決めるので宜しくお願い致します。

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