第二十二話

「なんだこれ?!」

「それは戦闘用のARコンタクト。今居る場所や天気、温度、さらにはサーモングラフを利用して敵の情報まで把握することができる超優れ物。それに加えて、自分の状態やコネクトしている仲間との意思疎通も一般のARコンタクトでの会話と比べてよりしやすくなっている。画面が青いのは君のメンタルを安定させるため穏やかな色彩にしているよ。それにこの天気だと青が一番周りを鮮明に見ることができるしね。」

「・・・すげー。」

ARコンタクトが普及してから数年が経つが、すでにここまで進化していると偉炎は予想していなかった。それに、戦闘用ということは既に警軍がARコンタクトの軍用化に成功していると考えて間違いない。そんな事実に偉炎は感心してしまったようだ。

「よし、ではこれからそのARコンタクトの使い方と今の状況と作戦を整理するためにそっちに資料と映像を送るから見ておいてね。」

「分かった。」

 そういうと切風は自分の付けているARコンタクトに表示されているコマンドを操作して、偉炎のARコンタクトに情報を送信した。それを確認した偉炎はさっそく情報を開いてそれを視覚した。

「あ!ちなみにだけど君がつけているARコンタクトはすでに私のやつと接続済みだから君の行動とか一瞬で分かるよ!だから下手な行動したらどうなるか・・・分かるよね♡」

「はいはい・・・なら逆に僕の方から切風の情報を読み取ることは・・・」

「嫌だな。そんなことさせるわけないじゃん!乙女の情報を健全な男子高校生に渡すなんて・・・いや~ん。」

(こいつ、本当に何歳だ?!)

 偉炎は色々とツッコミを入れたいところだがそれを何とか我慢して、表示されている情報を引き続き見た。

 ざっくりではあるが偉炎が読んでいる内容をここに記しておく。

 

まず、偉炎が持っている拳銃の詳細についてだ。名前は「コルトガバメントM1911」。今からおよそ百五十年前に開発されたもので当時のアメリカでは軍の武器にも採用されたことがあるらしい。今では旧式の部類に入ってしまうが民間からの人気があり、そっちの界隈で人気は未だに健在だ。この拳銃に装填できる弾の数は最大で七発。ただ先程偉炎が商店街で一発使っているため、偉炎が持っている拳銃には六発残っている。ちなみに彼の使っている拳銃は既にハンマーダウンしている。そのためセーフティーさえ解除すればいつでも発射可能だ。また、今つけている戦闘用のARコンタクトが一般品と使い方が違うのでそれを詳しく解説していた。もっとも、これは使っている本人しか分からないためここでは割愛させていただく。それ以外にも、拳銃の撃ち方他様々な戦闘知識が次々と表示されていった。

 

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