第24話 魔力トレーニングの先生?
「だから、少しは隠せよ!」
「もう、いいじゃない! 気にしないでよ!」
「中身が見えてるから問題なんだよ!」
「えっ? あ、たしかにユルユルな服だから見えちゃうかもな……修斗エロだな」
「くっ」
うん、異世界の朝が来たって感じだ。何時も二人のほうが寝起きが良いな。若さだろうか? それにしても健全な男子をあそこまでからかったらそのうち襲われそうだけど大丈夫だろうか? ん? 体の筋肉痛は無いな……体が慣れたのか? もう?
「今日で1週間経っちゃったんだよなぁ……」
「え、もうそんなになりますっけ?」
「なんかあっという間だったね」
「帰る手がかりよりも、テンセイシャの痕跡の方が良く見かける様になってしまったね」
「キョウカさんの先祖に、雑貨屋の腕時計……誰かが手記とか残してくれていればヒントが掴めそうですね」
「ああ、なるほど……図書館的なものか。先生に聞いてみるか」
ちらっとチサトを見ると、たしかに中身が見えそうだな。もうちょい姿勢を普通にしてもらうと助かる気がした。
「あ! タクマのえっち!」
「うん、見えちゃうからやっぱり上着ちゃんと着てから話そう」
「……なんか余裕でつまらないなぁ……さっすが妻子持ち」
チサトの目が若干ジトッとした感じになる。人をからかうのが好きなのだろうか? シュウトくんなんて今の会話で面白い顔になってるぞ。
それからいつもどおりに支度を終えたら既に3人が一階でご飯を食べながらくつろいでいた。
『あら、おはよう。今日も遅いのね』
『おはよう! 今日からよろしくね!』
『おはよう。チサト、どうした?』
『おはよう~タクマが大人、ムカつく』
『ええっ? お、おはよう』
『お、おはよう! みんな早いね!』
みんななんと言っていいかわからない感じでお互いの顔を見る。チサトが最近よくわからない。ノスタルジックになっているのだろうか?
『お、お、俺、ここのホットドッグ好き。美味い、大きい』
『あ~私、作るの手伝うことある。美味しい』
『あ、あれね、お腹すく。怒りやすい』
3人がそれぞれフォローしてくれる。それからいつもどおりに朝の軽食をもらい作業場に移動する。チサトは朝パンを食べたらケロッと機嫌がなおっていた。
『キョウカよ! 今日から私達と働くの!』
『よろしくおねがいします!』
『おお、また新顔か! しかも鬼人族とは……』
元気に挨拶するキョウカ。ランパルトの見た目結構怖い系だと思うけど、彼女も物怖じしないタイプだなぁ……
それにしても、やっぱりランパルトさんが驚いていた。確かにここに来るたびに人が増えていっているね。
『ランパルト、人、増える、これ、最後』
『うむ。多分これからも増えそうだな。わかった』
話が通じていない気もしたが、悪いように見てなさそうだし良いか。
『タクマ、約束、魔力コントロールの使い方』
『俺、知りたい、とても』
『え? なに? 上手なの?』
『うむ。俺も知りたいな、タクマやって見せてくれ。給金は増やそう』
『わ、わかった』
『それじゃ僕たちは行ってますね』
『じゃぁ、お先!』
シュウトくんとチサトが軽快に石を山のように積んで経過に猫車を押していく。それを見ていたキョウカが驚いた感じでつぶやく。
『あの、なんか凄いんですけど……』
『練習、がんばる、できる』
俺は木の棒を使って土の地面に図解するように絵を描いていく。体に魔力をまとう図。手に集める図。もう片方に集める図。3つ描いて矢印などで順序をわかりやすくする。
『ほう、絵がうまいな、わかりやすい』
『バランス、いい。絵が上手ね』
『俺、コレなら分かる』
『わたしの国の絵に似てる』
まぁ、日本人っぽい絵だろうな、これは。俺はみんなに魔力に目をためてもらって魔力の流れを見えるようにしてもらってから俺が軽く実演してみせる。なんとなく言っていることを理解してもらえたようで、みんなが見様見真似でやってくれる。
『エルド! もっと薄く! 弱く! そうそう、それで手に集める。そうそうそう! それで反対に、そうそう! 良いね!』
『キョウカ! 弱く弱く! 強すぎる!!!』
『む、難しい!』
『ランパルト! もっと移動、早く! そうそう、動くスピードと同じ! そう!』
『くっ、難しい。ヤジロベーのバランスを取るみたいだ』
『ヴィナルカ! 上手』
『ふふっ、タクマの絵が上手だったのよ、私、作業に行ってくるわね』
楽しそうにヴィナルカが猫車に石を積んで行ってしまう。なんか俺達と同じくらいうまくやっているな。もともと魔力コントロール上手だったのだろうな。
それから3人が悪戦苦闘しながらも1時間位でなんとなくコツをつかむ。ただし、エルドは出力調整が若干弱く、キョウカは威力を上げ過ぎ、ランパルトは魔力移動が若干おそいなどの欠点が見えた。性格などが影響しているのだろうか?
『うむ。良いな、この練習方法。ブリィスラにやり方教えるか?』
『ありがとう、もうチョット練習すればモノになりそうね』
『俺、強くなった。ありがとう』
『うん。よかった。みんな上手』
『お、感心している場合ではなかったな。お前ら仕事に移ってくれ。キョウカにはやり方を教える』
『わかった!』
各々が持ち場に戻っていく。魔力コントロールが上達したおかげで、エルドもヴィナルカもテキパキと石材を運んでいく。俺も負けずに頑張らないとな。
5の鐘が鳴り作業が終了するとキョウカがへたり込んで座ってしまった。
『なにこれ、すごい、きつい』
『俺、昨日より、がんばれた、キョウカ、明日、もっと、楽になる』
『ほんとう? がんばるよ……』
エルドが慰めてる脇を舞う様にヴィナルカが駆け抜ける。ものすごく楽しそうだ。俺と目が合うとひらりと回転して俺の前に立ち止まる。
『タクマ、ありがとう! おかげで全然疲れないわ! ものすごく、楽だった』
『それは良かった』
『みんな上手なった、よかったよ!』
『すぐ、追いつく、みんな、ですね』
今日の給金は今までの記録を更新し、2割増しくらいになっていた。俺だけ教習特別手当で今日だけ倍額をもらった。みんなにご飯でも奢るかな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます