頭の奥底のモノ
曇空
第1話
毎朝学校へ向かう。憂鬱な気分になっても、休みたいと思っても、少しくらい体調が悪くても、絶対に休まない。休んでしまったらクラスについていけなくなってしまう。
僕はどんなことが起きてもすぐに対応できる。すぐに状況を判断して動くことができる。そういう自信があった。
クラスはいつも賑やかだ。僕なんかがいなくても、クラスが静まることはない。元気のいいクラスだ。いつでも、いつまでも騒がしく、絶対音感には耐えられないほどの不協和音を叫びまくるようなクラス。そりゃあ行きたくなくなっても仕方がないよ。それでもいかなきゃと自分自身に言い聞かせる。
最近は叫び声を除いて、ほんの少しだけ落ち着いたように見える。気のせいかもしれないけれど、体育祭に修学旅行にと、しっかりとしなければならないことが増えたせいかもしれない。もちろん僕は行きたくなかったけれど、クラスの優しいやつ(お節介なんだよ、お前は)が執拗に誘ってきたため、逃れることはできなかった。しっかりと笑顔を顔に貼り付け、楽しんでいるように見せて。特定のやつ以外はどんな奴でも、僕を楽しませることはできない。僕を楽しませられるのは僕が依存している人だけだ。
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