第6話:崩壊への片道切符

その時、僕以外ももちろん止めようとはしていた。でも実態のないハンドルネームの集まりがどれだけ言葉を掛けたってなんの意味もなさないのさ。少しくらいは揺らいだとしても結局元に戻る。ここで僕はさらに修羅の道を選んだ。いや、馬鹿な道かな。


その子を好きになったんだ。今生きている僕は人が好きだからわかる事だけど、ネットでの恋なんて所詮塵みたいなものなんだ。この子をモノにすれば死ぬのを一時的でも止められる、この世に引き止める楔を打てるって考えたんだよ。そして、告白した。今考えればしょぼすぎるようなものだし、自分でも言える、クソみたいなものだったよ。でも彼女は靡いてしまった。そう、靡いてしまったんだ。それで、とりあえず3ヶ月は延命できた。今もきっと生きているけれどね。この3ヶ月のおかげで彼女が生きていると思えば意味のあるものだったはずだ。

ほんとどうかしてるよ。

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