第3話:上がりは小さく下りは大きく

寝るためのお布団を引く気力すらなくて、そこらの上着を適当に掛けて寝てたり、とにかく何をする気にもなれなくて。

やっと学校が始まっても、それこそ学校は行かなきゃならないから必然的に行動しなくちゃ行けなくて、お風呂も寝るのもちゃんとしてたんだけど、勉強なんて、しんどくなくてもやりたくなくて。そんな時に毎日毎日僕が繰り返していたのは、歌を聴くこと。

僕は昔、と言っても中学2年生まで、ピアノを続けていたんだ。4歳くらいからね。約10年間下手くそなまま続けていて、でも周囲の人からするとピアノを弾けるのはアドバンテージ。初めて聞かせた時はチヤホヤされたよ。少なくとも、ピアノを習っておいたおかげで、多少なりとも絶対音感があるから、今は感謝してる。……何が言いたいかと言うと、音楽に少しは興味があったんだ。結局音楽関連の部活には入らなかったけどね。趣味音楽で部活は文芸と美術。全て芸術関係だなぁ。うちの家がそもそも芸術大好き両親だからね。

話を戻して、毎日続けていたのは音楽を聴くことだったんだ。その歌詞に、ずっと心を押してもらって、なんとか生きてた。きっと音楽がなければ、この頃の僕は、命を簡単に捨てていたと思う。

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