15

15、死霊使い さん


 次はアタシが話すよ。


 アタシはいわゆるネクロマンサー。死体を操ったり、幽霊と仲良しこよし。

 ある魔族の町に近い場所で起こったことだ。

 アタシが所属していたパーティはぶっちゃけ仲良くはないようだった。アタシ自身、抜けた誰かの穴埋めでメンバーを募集していたらしい。

 何日か様子を見ていたが、綺麗な装備をしているわりに連携がうまくいかない。そしてそれを人のせいにばかりしていた。

 その時はいつも以上にピリピリしていてね。

 金はないわ、食料はないわ。

 魔族に見つかったら否が応でも戦闘だ。

 緊張感もピークになっちゃって、そんな中のこと。

 仲間の一人が事故死したんだ。

 棺桶なんて誰も引きずりたくない。でも一応仲間だろ。アタシが棺桶係になったんだ。

 まあ貧乏くじさ。

 そしてまもなく、リーダーが宝箱を見つけた。

 中にはテレポーテーション出来るアイテムが入っていた。

 一つだけ。一人分だ。

 そこからはまさに泥沼底なし沼。

 暴力魔法お色気出版禁止用語ばっかりの恥を捨てたような泥じあいだったよ。

 アタシは棺桶の影に隠れてその戦いには参加しなかったんだ。

 ネクロマンサーは魔族にも需要があるからね。最終的には近くの町に行こうと思ったのさ。


 結局、それに交らないで戦況を見ていたアタシがアイテムをゲットした。


 まあこれだけ言えば分かるだろうけど。

 今私が操っているのはその時の仲間の体や魂をリサイクルしているワ。死体になったらアイテムに扱いだからね。



酒場の看板娘 さん

「死霊使いさん。まさか……その後ろにいる物静かな人たちは……。いや、何でもないです!! 蝋燭消して次行きましょう!!」

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