第7話『どうきょにゃん』
「アンドウ君♪さすがだねぇ~♪サリーちゃんのこんなにご満悦な寝顔見たのはじめてかもしれないなぁ……僕の毛繕いは下手っぴだったからね~(涙)」
「ミーアンの毛繕いでサリーちゃんの背中ハゲちゃってたもんね♪」
「かわいそうなことをしたよ……」
「僕も昔、実家で飼ってる猫に同じことして壮絶にへこみましたよ…」
やはり人は失敗を乗り越えて成長していくものなのだと、スヤスヤ満足そうに眠るサリーちゃんの色艶を見てそう感じる
「サリーちゃんぐっすり寝ちゃってるから夜まで彼女の部屋で寝かしてあげて♪」
「わかりました!ん?彼女の部屋?」
「うん♪404号室が彼女の部屋になってるからアンドウ君が抱いて連れてってくれると助かるな♪」
「サリーちゃんもここに暮らしてるんですか?お客様って言ってませんでした?」
「簡単に言うとサリーちゃんは404号室を借りて住んでるっていう感じかな?部屋が空いてても勿体無いのと、住んでくれるならこちらも助かるしね♪だから同居人だけどお客様としてうちのお店も利用してくれてるって感じかな?施術料金は家賃に含まれてるから好きな時に毛繕いしに来てねって感じ!VIPでしょ♪」
おぉ……
猫であり可愛い女の子であるサリーちゃんは毎日いるということになるのか……
最高だな。
「そういうことなんですね!わかりました!サリーちゃんを部屋に連れてって来ますね!」
スヤスヤ眠るサリーちゃんを抱きかかえ2階に上がる
「ジョージ…おぬしやるのぉ…むにゃむにゃ」
転職したおかげで喋る猫と生活ができるようになるなんて思っても見なかったなぁ……世の中の猫好きの夢を叶えてしまった!最高かよ!
はっ!!!
ちょっと待てよ…めちゃくちゃ浮かれてるけど、猫とはいえ女の子の部屋を勝手に開けていいものなのだろうか?
むむむ……
割り切るしかないか……
サリーちゃんは猫なのだと!
「404号室。これなんか意味あるのかな?」
ガチャ
おー……
なんというか魔女って感じの部屋だな……
部屋の真ん中に魔法陣みたいなマット引いてるし、やたらと髑髏のインテリアとか十字架だとかが所狭しと置いてある。
そろ~りとサリーちゃんをベッドの上にゆっくりとおろす。
「お休みなさい。サリーちゃん。今日はありがとう。」
「こちらこそじゃ…むにゃむにゃ…」
寝ぼけてても可愛いな
これからどうぞよろしくお願いします。
サリーちゃんを部屋に送り届けたので1階へ戻る
「アンドウ君ごくろーさま♪サリーちゃんに気に入られたみたいで良かった♪」
「いやぁ……サリーちゃん可愛いですね♪」
「ジョージ!私の方が可愛いよ!」
ムッとしたロメロちゃんがプンスカしている
その姿は尊いと言っても過言ではない可愛さである
「ごめんごめん!そうだね♪ロメロちゃんが1番可愛いよ!」
「わかればよろしい♪」
ドタバタしていて聞きそびれていたことを青野さんに聞いてみる
「そういえばミアンさん。うちのお店は基本は夜が営業時間なんですよね?朝方の対応はサリーちゃんくらいですか?」
「そうだね♪サリーちゃんは特別だから基本的に夜以外お客様が来ることはないかな?イレギュラー的に毛繕いする時があるかもだけど今のところないかな♪営業時間は守らないとブラック企業になっちゃうからね♪」
「うちはザ・ホワイト企業なんですね!ありがたいです!今のところ予約とか入ってないですけど、僕の時みたいに電話予約なんですか?」
「そう!うちはお店に電話予約か僕に直接連絡が来るパターン以外はないかな♪1日のお客様はお1人様のみ!最初のうちはロメロちゃんに電話対応してもらえば大丈夫だからさ♪」
「私にまかせてね♪」
「わかりました!そうしたら今日はもう営業終わりなんですか?」
「そうゆうこと♪あとはのんびりしててよ♪自由時間ってやつを楽しんで♪」
なんてことだ……仕事をしてて自分の時間がこんなにあるなんてこと想像もしてなかった……
だって、まだ12時なってないよ?明日の夜まで仕事ないの?!もはや休みじゃないか?!
「じゃあ僕はもう帰るからあとはみんなで仲良くね~♪」
ミアンさんは帰ってしまった
と、
いうことは……
「ロメロちゃん!!!お出かけしちゃおうか?!」
「お出かけ?!行っていいの?」
「エマさん!!!いいですか?!」
笑顔で頷くエマさん
「やったーーー!お出かけ行くーー♪♪」
こうしてロメロちゃんとのお出かけすることになったのだ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます