『縄張り』
やましん(テンパー)
『縄張り』
『これは、フィクションです。』
人間は、縄張り意識が強い動物です。
沢山の縄張りを開発し、それを守る手段や法律なども作って、お互いに縄張りを競いあいます。
自衛と、侵略も、そのあり方の種類でしょう。
武器も、そうした意味が強くあり、だんだん、破壊力が向上しましたし、多様な種類があります。
多くの生き物は、縄張りに侵入しようとする別の存在があると、すぐに、攻撃する場合もありますが、まずは、脅しをかける場合が多く見られるようです。
戦闘機が緊急発進するのは、そういう訳なのでしょう。
また、ベンチに座る場合、病院の待ち合いで座る場合も、お隣と非常に近いと、一種の警戒信号を感じる場合があります。
好意を抱いている場合、やむを得ないと理解している場合は、違うようです。
それでも、『ちょっと、失礼』と、ご挨拶するのは、お互いに攻撃意識がないと、確認している訳でしょう。
電車で、椅子を後ろに倒す場合もそうですね。
自分たちグループ独自の縄張りを、超法規的に、勝手に設定している場合もあるようです。
日本人の場合、自分の土地への執着が強かったので、実際に縄を張ったことから、縄張りと、言うようになったんだとか。
いまでも、けっこう、縄を張ってます。
幽霊さんと、人間間に、縄張りがあるのか。
『普安吐夢研究所』は、そこを、研究していました。
リポーター
『これは、なんですか?』
所長
『『緊張度感知計』です。』
リポーター
『キンチョウどかん、しけい?』
所長
『キンチョウどかんちけい。でし。すなわち、周辺に存在する、緊張度の中心点を表示しまさし。緊張度が強いほど、赤い点が強くなりまし。地震モニターみたいな感じでし。ほら、これ、今の状況でし。現在の感度は、周囲5メートルでし。この軽く赤いのがあなた。となりの真っ赤がぼく。ここに、ちょっと黄色になってるのが、うちの娘でありまし。』
(娘さんが、壁の向こうから、✋だけ出してふらふらと振った。)
リポーター
『あなたは、キンチョウしてますか?』
所長
『ものすごく、緊張質だから。』
リポーター
『わかりやすい。で、この、となりの赤は?』
所長
『これが、つまり、怪しのもの、さんでし。』
リポーター
『まさか。』
所長
『まあ、しかし。キンチョウの中心点が、あなたの隣にあるのでし。』
リポーター
『なんですかあ。それはあ。』
所長
『正体ら、まだ、わからないでし。しかし、あるでしょう。』
リポーター
『まあ。フェイクでしょう。』
所長
『ま、そこを、探っているわけでし。何かがある。何かは、まだ、はっきりはしないのでし。短絡的には言えないでしな。』
リポーター
『ふうん。え、この件は、明日も、追求いたします。はい、コマーシャル。』
ディレクター
『はあい。オッケー。』
リポーター
『ふう。所長さん、実際にこれは、なんですか。あ、色が変わった。』
所長
『緊張感が下がったのですなあ。姿は見えないが、キンチョウしているなにか、でしな。』
レポーター
『ふうん。いやあ、なんだろう。』
所長
『そこが、研究課題でありまし。なにかが、領域侵犯してましな。』
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アナウンサー
『今日のニュースです。まず、霊域管理庁は、最近、まだ、現世で生きている人間による、領域侵犯が多発しているとして、各種警告用装備の拡充を進めたいとしています。多少危険なものも、やむを得ないと、しました。超次元ミサイルも、実用化を進めたいとしています。
次のニュースです。私立の地獄で構成する私立地獄組合の総会がありました………』
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『縄張り』 やましん(テンパー) @yamashin-2
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