言えないバッテリー プロ野球編
フレイヤー
第1話 プロ野球開幕
ついに、プロ野球が、開幕。
大阪の球団にて、1軍入りを果たした松山洋一捕手と、一軍トレーニングコーチとして入団した国松真。
ズバーンと、球を止めるキャッチャーミットの音が響く。
投げてるのは、ベテラン投手の三平(みつひら)選手。
左横手から投げるスライダーで、通算345セーブを記録している。
41才で、あと5セーブを記録して引退すると宣言して挑む今シーズン。
ブルペン捕手曰く、状態は良いとのことだったが、マウンドで投球を受けた洋一は、ある違和感が気になった。
いつもの変化球じゃない、キレが良くないと感じたからだ。
9回裏、2ー1とリードしている場面で、三平はマウンドに上がった。
最初の打者は、スライダーで打ち取った。
しかし、1死後、三平の投球が乱れる。
死球を含む2安打を浴びて満塁となり、ヒットを打たれてしまい、敗戦投手となる。
この投球が、本人の引退の引き金となり、三平は登板すること無く球界を去った。
洋一は、自分のせいだと思うあまりに、この年を境に野球に対する情熱を失っていく。
そして、あるニュースが、俺と洋一を引き離すことになってしまうとはまだ知らなかった。
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