(自由詩)アノニマス

@I-By

アノニマス

誰か私を解き放って


私を取り巻くこの世界から

手足を動かす無数の糸から

心を汚す欲求から


何もかもが鬱陶しくて

耳をふさいでも意味はなくて


私って何だろう

異性を見て欲情するのも

動静を見て妬み焦がれるのも

きっと私じゃない

それはただの反応

肉体に繋がれて肉体から生まれる

私とは違うもの


この煩い世界から逃げても

きっと私は私から逃げられない

どこにいこう

どこに隠れよう


逃げて逃げて逃げて逃げて

……そしてどうするの?

逃げることからも逃げる?


Li-e-------ol


呼吸が続く

自動的な吸気と排気が

ろくでもない僕の命を存続させる

そんなもの頼んでない

そう言いたいけど、きっと頼んでる


ただ頭を下げないだけで

組織に神経に細胞に

偉そうにふんぞり返ってお願いしている

いや、お願いすらしていないのかもしれない


まるで当然のように

あたかも迷惑であるかのように

命が消費されている

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