コメディだったり恋愛だったりまぁ色々です。つまりはカオスです。お覚悟を!
イアァ・ジョン
第1話
立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花、ふとそんな言葉が浮かんだ。だってこんなに薄汚い路地裏に彼女はただ、凛々しくも気高く、美しくも咲き乱れてるが如く、ひっそりと輝いているのだから……
今年の学校生活も軌道に乗り、もはや終わりが見えて来た秋の頃。ようやく暖房がつき始めていた。
4限目終了という学校で2番目に嬉しい出来事を今日も経験し、食事も終わった頃。俺は腕を組み、机に伏せ寝ていた。
自分は確かに陰キャであり、オタクだが友達がいない訳ではない。ただ眠いんだ。
もしこの俺から暖房を取る輩が現れたのなら、俺はダイナミックキックをかます所存だ。
そんなしょうもない事を今日も考えながら、夢心地を堪能していた。
いきなり目の前に気配が現れた。声をかける様子が無いことから特別に用があるわけで無いだろう。
おそらく身長190㎝、整った顔立ち、帰宅部、オタク、飲料水持参だろう。
整った顔立ちだ。
断じてイケメンなどでは無い。
5分ほどか、いや1分程だろう。目は合わせて無いが、睨み合いが続いていた。
このまま授業が始まろうかと考えた矢先に変化が起きた。
突然背筋に人を殺せるほどの寒さが俺を襲った。
そして俺は反射的に、拳を横に振りかざし、その襲撃を撃退した。
「イッタァ」
そんな声を目覚ましに気怠そうに俺は起き上がった。
「いきなり何すんだよ翔平」
「お前が俺に飲みもん買わせに行ったのに寝てるからだろ!」
「それはじゃんけんで負けたお前が悪いし、読む本も無いのが悪い。つまり総合的にお前が悪い」
「おいおいそんな事言うなら飲みのんやんねーぞ?」
「別に良いさ。そんなことよりよくもアイスハンドをやってくれたねぇ〜」
「アイスハンドとか厨二かよ(笑)」
「俺の心情の1つはやられたらやり返す、容赦はしない……(無視)」
「翔平の知ってる通り俺はちょっと酷めの冷え性だ、この暖かい教室の中でも爪は青紫、手の内側まで薄らと青紫の明らかに冷たい手だ」
「なあ俺が悪かったからぁほら飲みもんも俺の分もやr」
「届け♡アブソリュートッゼロッアイスッハンドッ」
「アッヒャーーー」
「死に晒せよ」
そんなこんなで喘いでいるこいつはマイフレンズ。認めたくは無いがここで喘いでいるこいつはマイフレンズだよ……
喘ぎ声が得意なフr……辞めておこう……俺の為にもお前の尊厳のためにも……
喘ぎ声がしなくなってきた頃、ようやく俺は手を離した。ここまで僅か十数秒の出来事である。
「冷た過ぎんだろ、お前!カイロぐらい持ってこいや!」
「お前も知ってるだろ?カイロは俺にとっては暑すぎるって」
「なら、布とかを被せれば良いって言いてるよろがい」
「いやほら、面倒いし金かかるじゃん。それに被害被ってるのってお前だけだし(笑)」
「うるせぇy」
「俺の名前は望月 智也⭐︎年齢は16歳の3月生まれ⭐︎今をときめく高校生さ⭐︎」(決めポーズ)
「お前…いきなり何やっての?昔のアニメか?少女漫画?…………あぁーもしかしてクトゥルフか?設定は?」
(早く、ほら早く)小声
「はーしょうがねぇな、俺の名前は早川 翔平 年齢は17歳の6月生まれのオタクだ」
(おい⭐︎をちゃんと付けろ後決めポーズも)小声
「あぁもう、俺の名前は早川 翔平⭐︎年齢は17歳の6月生まれ⭐︎今をときめくオタクだ⭐︎」(決めポーズ)
「うわァ何やってんだろこいつ。それに今をときめくオタクとかwwwwwww」
「お前がやらせた事だろうがぁ?あ?」
「そんな事より今日も遊ぼうぜ、今日はカラオケな」
「はぁーもう良いから、奢れよ」
「ドリンクバーぐらいは奢ったるよ」
「よしそれで」
こんなんでも一応幼馴染というやつで、古くからの仲だ。こんなだる絡みで暇を潰したり、相談をしたりされたり、一生の中で1番の親友だ。
唯一の、でもあるが。価値観とか色々全てがうまく組み合わさったんだろうなぁ。
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