第9話
ダンジョンで『ブルーシェル』を採取し、集まったらダンジョンセンターに売りに行く。これを日課にするようになって2週間が経過した。
砂浜の『ブルーシェル』はなんと毎日採取スポットが復活するのでダンボール箱にもそこそこの量が速くたまっていく。
収入にして二日間で5万弱くらいの収入となっていた。
さすがに二日間毎にダンジョンセンターに売りに行くと言うと少し目立つ気もしたので、売りに行くのは週に一度、段ボール二箱分で約10万円くらいを換金する感じにした。
我がダンジョンは相変わらず円形のこじんまりした小島である。
ちなみにモンスターについてだがだいたい五日間に一回くらいのペースで現れる。
予定では明日くらいにまたスケルトンが数体イカダに乗って現れるだろうとハルカは言っていた。
現在の私は『ブルーシェル』の採取が終わればあまりやることはない。
暇な時間が増えたのでならばと少し体を動かしてトレーニングでもしようと思う。
と言っても実際にやっているのは砂浜を散歩かあるいは軽めのランニングをするくらいだけど。
これでも結構足にくるのだ。
スポーツジムにお金を払うくらいなら砂浜で数時間過ごす方がよっぽど運動になると誰かが言っていた理由が分かった。
そんなことを実感した私だ。
「……少し休もう」
砂浜に腰を下ろす、半ズボンに砂がつくがそう気にすることもないだろう。
ボケ~と青い水平線を見る、我がダンジョンには天候というものがあるのだろうかと思うくらい常にこんな感じの天気だ。晴天である。
水平線の向こうには白い入道雲そして透き通った青空と青い水平線。
砂浜には波の音しか聞こえない。
私はここでボ~っとする時間が結構気に入ってしまった。
社会人として煩わしい時間を長いこと過ごしたからだろうか。
こういう時間の流れがゆっくりした場所で読書のでもしようかと思う気分になる。
最も自分が読むのはライトノベルだったり漫画だったりなのだが、大人が読むような感じの小説とかは少し苦手だ。
それとハルカとアヤメはスケルトンが現れる時以外は我がダンジョンの方では銃の姿で小島の真ん中あたりをフヨフヨ浮いている。
何をしてるわけでもない、別段向こうから何か言って来るわけでもない自由時間だ。
一日に何度かはアヤメあたりがよく話しかけてくるのでそれに対応することはある。ハルカも一日に一回以上は話をしてくる。
アヤメはとりとめのない話が殆どで、ハルカは私が生きている人間の世界について興味があるらしくそれを話すくらいだ。
そんな含蓄のある話を私は持ってるわけでもないのでなかなか面白い話ができるというわけでもないんだが。
この緩い感じの誰かと交流を持てているというのも悪くない、本当に『ダンジョン』というスキルを手入れでから色々と余裕を持てるようになった気がする。
スマホで時間を確認する。
少し散歩してぼ~っとしていたらいつの間にかお昼の時間である。
「…お腹も空いたし、何か作るか。ハルカ、アヤメ。 そろそろお昼ご飯を食べようと思うけど食べる?」
「食べます」
「食べる~~」
そうダンジョンコアであり銃の姿をしてるがなんと彼女らは食べ物を食うのである。
特に自分がいる世界の料理を結構好んで食べる傾向がある。
まあ今のダンジョンにある物で調理しろと言われても無理だけど。
「それじゃあいつもの姿でお願いします」
ハルカとアヤメが返事をしてそれと同時に宙に浮かんだ銃が光った。
そして次の瞬間その銃たち2人それぞれ別の女性へて姿を変えた。
なんとこのダンジョンコアさんたちという存在は人間の姿にも変身することができたのだ。
ハルカは年齢は20代前半くらいかな、綺麗な長い黒髪を腰まで届く長さのポニーテールにしている。瞳はグレーで白い肌を持つ整った顔出しの美人だ、黒のシャツの上にデザインが凝った白のスーツっぽいを着てる、下は白のタイトスカートと黒のストッキングと白いブーツヒールという大人のキャリアウーマンに近い感じの姿をしている。
ただデザインが所々コスプレというかコスチューム的な感じがするのはやはりダンジョンという異界の住人だからだろうな。
一方のアヤメの方は年齢は二十代前半くらいで紺色に近い艶のある紺色のロングヘアーで瞳の色は紫色をしている。服装は肩が出てる青いセーターと長ズボン靴はブーツというラフなのかなんなのか分からんスタイルだ。こちらも普通に美人だ。
あとデザイン的には私の知る物とか所々違うから本当にセーターなのかは分からない。
2人ともスタイルは大人びた曲線を描いていた。
なんか銃だとかブレスレットだとかその形は割と自由にできるんだろうなとは思っていたが、まさか人間にまで変身できるとは思わなかったので最初は驚いた。
私の部屋で昼ご飯を食べていた時にアヤメがいたずらなのか人間の姿になって顔をひょっこりと出してきた時はめっちゃビビって壁が薄いのも考えず悲鳴をあげそうになったくらいだ。
まあ今では少し慣れたけど、さてっそれではお昼ご飯である。
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