卵たちの日々~転生したら半神の僕に聖女の姉と大魔法使いの妹ができました~

山本 あかり

第一章 聖女(仮)と大魔法使い(仮)と半神と

第1話 二度目の走馬灯でいろいろ思い出す(1)

 高熱で死にかけて走馬灯を見ているときに自分が転生者だと気付いた。


 僕の前世は獅子賢人ししけんと(22)、就職したばかりでこれから本格的に仕事が始まろうとしていたところで体調不良になり、近所の病院へ行ったらすぐに大病院で検査を受けるようにと。

 紹介状を貰って大病院へ即入院することになったがなんの病気か告げられることなく入院したその夜に走馬灯を見た記憶を思い出した……が、意識を失うその瞬間に自分は神だと名乗る女が、高い能力を授けて転生させてやるから私の世界で魔王を倒して欲しいと言ってきたのへ断ったことも同時に思い出した。


 あんなにハッキリ断ったのに転生させられていたとは……


 熱のせいだと思うが、ひどく重く感じられる細く白い腕と小さくなった手のひらを透かして見て自分の運命を呪ってみた。


 アレだよな?断ったんだから魔王なんて知らんぷりしても大丈夫だよな?

 あぁ、そんなことより今この瞬間に、二度目の走馬灯を見る羽目になってるなんてツキが無いにもほどがあるだろうよ……僕はまた死ぬのか……そう考えて意識を手放した……

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